2024年 4月 25日 (木)

「雷鳥はサンダーバードではない!」 衝撃の動物園「掲示」に「JR西のせいだ」

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   「ライチョウはサンダーバードではありません」。動物園のこんな掲示がツイッターで拡散され、話題になっている。かつて関西圏と北陸地方を結んでいたJR特急「雷鳥」が、今は「サンダーバード」として走っていることもあって、「雷鳥=サンダーバード」と思い込んでいた人も多い。それだけに驚いた人も多く、ツイートは3500回もリツイート(転送)されている。

   実はこの「サンダーバード」という愛称、JR西日本は「漢字の直訳」と説明していたが、発表時点で「誤った英語が広まるのを懸念する声もある」という指摘が出ていた。この懸念は現実となり、動物園の掲示につながった。

  • JR西日本の「サンダーバード」は「雷鳥」を「直訳」して名づけられた
    JR西日本の「サンダーバード」は「雷鳥」を「直訳」して名づけられた
  • JR西日本の「サンダーバード」は「雷鳥」を「直訳」して名づけられた

「英語ではPtarmigan(ターミガン)またはGrouse(グロース)」

   話題になっているツイートは2016年8月18日夜、「この帰省、最大の衝撃」という文章とともに写真つきで投稿された。写真には、いしかわ動物園(石川県能美市)で撮影された掲示物が写っており、そこには赤字で

「※ライチョウはサンダーバードではありません」

とある。その下には黒字で

「ライチョウは英語ではPtarmigan(ターミガン)またはGrouse(グロース)といいます」

と注意書きがついている。

   この事実を知らなかったネット利用者も多かったようで、ツイッター上では

「衝撃だわ」
「なんだってー!!」

といった声も相次ぎ、「原因はJR西日本のせいだ」という声もあった。

   ライチョウは、かつて白山(石川・岐阜県)で生息していたことで知られ、北陸地方ではなじみのある鳥だ。いしかわ動物園の担当者によると、この掲示を出したのは3年ほど前。

「『ライチョウ』という名前は浸透しているが、その英語の名称は必ずしもそうではない。誤解しないでね、ということを半分ユーモアを交えてお伝えしたかった」

といった意図だった。

   このライチョウの英語名称をめぐる話は「業界では有名な話」だというが、掲示を見た来園者からは、「知らなかった」と感心する声も時々寄せられるという。JR西の特急の名称の影響について、同園では「あると思いますねー」と話していた。

「雷鳥」の漢字を直訳したときから、懸念は出ていたが...

   もっとも、JR西日本も、必ずしも「ライチョウ=サンダーバード」と意図して命名したわけではないようだ。

   1995年春にJR西日本が展開していたCMは、NHKなどで放送された英国の民間テレビ作成の「サンダーバード」のキャラクターを登場させ、

「4、2、0...!4月20日、サンダーバード発進!サンダーバードで、北陸がぐーんと近くに!」

とアピールしており、CMに「ライチョウ」や「雷鳥」の文字が登場することはなかった。

   JR西から特急「サンダーバード」の名称が発表されたのは1994年12月。95年4月のダイヤ改定で大阪と北陸を結ぶ特急「スーパー雷鳥」に新型車両「681系」が登場するのに合わせて、「サンダーバード」という愛称がつけられた。95年1月には、井手正敬社長(当時)の意向で「サンダーバード」は愛称から正式名称に格上げになり、実際のダイヤ改定時には「スーパー雷鳥(サンダーバード)」としてデビューを果たしている。

   英語の「thunderbird」は米国の先住民族の伝説に登場する想像上の鳥。681系は時速160キロ走行が可能で、「サンダーバード」の力強くスピーディーなイメージがぴったりだとして命名されたという。当時、JR西日本は「雷鳥」の漢字を「直訳」すると「サンダーバード」になる、とも説明していたようだ。

   ただ、95年12月24日の朝日新聞は、

「愛称は『雷』『鳥』をそのまま英訳した形でもあるが、ライチョウの英名は『ターミガン(ptarmigan)』。誤った英語が広まるのを懸念する声もある」

と報じていた。この懸念が20年以上経って現実となっていたことを、今回のツイッターの反応は証明したともいえる。

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