2024年 4月 26日 (金)

長谷川豊氏、「人工透析」ブログの「真意」語る 全腎協の謝罪要求は「断固拒否」

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   元フジテレビアナウンサーの長谷川豊さん(41)が2016年9月24日、J-CASTニュースのインタビューに応じ、ネット上で「炎上」している人工透析患者にまつわる一連のブログ記事について、あらためて「真意」を語った。

   長谷川さんの19日付のブログ記事をめぐっては、全国腎臓病協議会(全腎協)が9月23日に抗議文を公開し、謝罪を要求しているが、長谷川さんは「謝罪については断固拒否する」と語った。

  • 「人工透析ブログ」について語る長谷川豊さん(2016年9月24日撮影)
    「人工透析ブログ」について語る長谷川豊さん(2016年9月24日撮影)
  • 「人工透析ブログ」について語る長谷川豊さん(2016年9月24日撮影)

「自堕落な患者」10人以上の医師に取材

   ブログでは、現状の健康保険制度および年金制度を問題視する中で、日本における人工透析患者に言及。その多くは、医師からの注意を無視して自堕落な生活を送り続けた結果、透析を受けざるを得なくなった「自業自得」な患者だと主張した。

   19日付記事のタイトルには「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」という過激な表現があったこともあり、ネット上では批判が殺到。その後に更新されたブログも含めて物議を醸した。

   長谷川さんは24日、J-CASTニュースとのインタビューの中で「ブログの主旨は一貫して、『社会保障給付費の使い方を考えましょう』ということ」と話し、ブログを書くにあたっては透析病棟の現場で働く医師10人以上を取材し、そこで「自堕落な生活が原因の患者が相当な割合で存在する」といった話を聞かされたことを改めて強調した。

「この1年で医療費が1.5兆円増えたという記事を見たのが全ての入り口だった。適正に使っていかなければそう遠くない未来に破たんする。人工透析の予算はあらゆる病理に対する社会保障の中でも伸び率が断トツで高い。このままいくと本当に苦しんでいる透析患者まで3割負担、という話になってくる」

   その上で、長谷川さんのブログが「透析患者に対する誤った認識を社会に印象づけるものであり、強い憤りを覚えます」として、全腎協が「発言の撤回と謝罪の掲載」を求める抗議文を公表したことに対しては

「公開されている抗議文は『全員が(透析を)タダで受けられるように頑張ってきた、誤解を与えるな』という内容。こんなこと言っていたら社会保障給付費なんて際限がなくなる。全員守るなんて論外です」

と批判。「抗議文が手元に届き次第、謝罪については断固拒否し、会長への公開インタビューを要求する」と、あくまで自身の主張を貫く姿勢を示した。

「殺せ」タイトルは「多くの人に拡散してほしくて付けた」

   長谷川さんの言う「本当に苦しんでいる透析患者」は、主に先天的・遺伝的理由から患者になった人々を指している。だが、後天的にせよ、病気とはさまざまな要因が重なってなるものだ。逆に言えば「生活習慣だけが原因」だと断定するのは非常に難しい。

   そのため「大多数が自業自得」と断定的に書いていたことには多くの反論が寄せられていたが、長谷川さんは「揚げ足を取るところがそこしかないということでしょう」と話した。

「本当に苦しんでいる方たちは負担ゼロ円でいいんですよ。そういう人達まで自己負担が増やされてしまうのは止めるべき。グレーゾーンは全部救ってもいいと思います。免許と同じような点数制や民間会社による調査を導入すれば、完全な黒は切り捨てられるはず。『完全な黒』だけで1割、11.7兆円出てくる。これを子供たちに使えれば話は全然変わってくる」

とも続ける。

   タイトルに使用された「殺せ」という過激な言葉も炎上の大きな原因となった。

   長谷川さんは「保育園落ちた、日本死ね」の例を出しながら「ネット上では強い文言によって広める手法があり、僕は表現の1つとして全て否定されるわけではないと思っている」と述べ、今回のタイトルについても「殺していいとは当然誰も思っていない。でも、それくらい怒りと強い思いを持って臨もうという考えで付けた」と説明した。

   ただ、「日本」という漠然とした相手に向ける「死ね」という言葉と、全額自己負担となれば「リアルな死」の可能性が出てくる人工透析患者に向ける「無理なら殺せ」という言葉は、同じニュアンスとは言い難い。それでも敢えて「殺せ」と書いた理由を尋ねると、

「一人でも多くの人に拡散してほしくて付けたのですが、やはりこれは非難が来て当然。タイトルだけ見て誤読されることも、悪用されることも予測しきれなかったのは完全に僕のミスです。いつもどおり『長谷川またふざけたこと言ってるよ』って拡散してもらおうと思ったら、多くの人に迷惑をかけてしまった」

と反省した。「悪用」というのは「自業自得の」の部分が抜け落ち、「長谷川が透析患者は死ねと言った」というニュアンスに「歪曲報道」されたことだという。もともと「炎上」自体は「拡散行為」と捉えており、「アンチ長谷川」も「応援団にしか見えない」とまで言うが、今回は想定外の部分があったようだ。

他者ブログ「パクリ」指摘は「申し訳ない」

   ネット上では、他者ブログからの「パクリ」についても問題が指摘されている。長谷川さんは、「部分引用ということで書かせていただいた」としたが、なぜ引用元を明記しなかったのかについては、

「このブログは炎上することが分かっているので、僕に協力していると捉えられたら、当然相手にも攻撃が絶対行く。そのため使わせていただくことを断りたく連絡したのですが、連絡がつかなかった。連絡がつかないのに名前を勝手に引用して迷惑をかけてもしょうがないし、本記の中でそれほど大事なところでもなかったので、いわゆる部分引用に。単なるコピー&ペーストではなく、改行をしたりして『自分の著作物』という形にした」

と説明した。

   だが、協力者と捉えられないよう工夫して書くことも「やるべきだった」とし、ブログ主には「申し訳ない思いでいっぱいです」と話した。

BLOGOSとの関係は「考え直さなければならない」

   長谷川さんのブログをめぐっては、転載したニュースサイト「BLOGOS(ブロゴス)」にも多くの批判が寄せられ、同編集部が記事を削除する事態に発展した。同サイトは22日、長谷川さんの記事に上書きする形でお詫び文を掲載。「チェック体制の不備があった」などとした。

   これについて、長谷川さんは、ブログ記事が転載されることになった19日夜の段階で編集部に連絡を入れ、記事にはきつい表現があることからタイトルや文中の変更をするよう「忠告」をしていたという。その後、編集部から「誤解されたらもったいないから、追加のブログで真意を書いてみては」との連絡が入ったが、その数時間後に「やっぱり全て消す」と言われたそうだ。

「あれほど注意したにもかかわらず、炎上。それで炎上と思ったら、僕のアカウント使って(上書きして)『今後、公序良俗に反する記事は書きません』って書いてある。いい関係を築いていたつもりだけど、これは限度を超えている。BLOGOSさんとの付き合い方っていうのは、最低レベル考え直さなければならない」

と語った。

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