「残尿感」に悩み続けて10年 ずっと見逃されていた本当の病気
2016.10.04 11:30
夜間頻尿だと長生きできない
上島さんほどひどい症状でなくても、歳を取ると多かれ少なかれ尿トラブルに悩まされるものだ。
河内氏によると、40歳以上の日本人に最も多いトラブルが「夜間頻尿」。夜中に何度も起きることで昼間の生活に支障が出たり、暗闇で起きて転んで骨折したりするケースも。夜間頻尿の人はそうでない人より長生きできないという報告もあるそうだ。
夜にお茶やコーヒー、酒などの水分を摂(と)りすぎるのが一番の原因だが、ほかに「足のむくみ」も原因になる。
日中立っている間、重力の影響で足に血液がたまりやすくなる。年齢とともに心臓から血液を押し出す力や、筋力が衰えて足から心臓へ血液を戻す力が弱まり、足にたまった血液から水分が染み出してしまう。
夜、横になると心臓に血液が戻ってくるが、右心房にある水分の量を感知するセンサーが働き、尿を作る指令が出て夜間の尿意につながる。
改善するには足のむくみの解消が重要だ。河内ドクターが勧める方法は、
(1) 足首から膝の方へ、手でほぐすようにマッサージする。
(2) 夕方にウオーキングなどでふくらはぎを動かす。
ふくらはぎの筋肉が動くと血管が拡張と収縮する、ポンプの機能を果たして心臓に血液が戻り、寝る前に尿が作られる。