2024年 5月 3日 (金)

乳児用「液体ミルク」がやっと解禁に 災害時に必要なのに誰が妨害していた?

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東日本と熊本地震で助かったフィンランドの液体ミルク

   それでも、政府と業界は重い腰を上げないまま、2016年4月、熊本地震が起こった。ここでもフィンランドが援助の手を差し伸べてくれた。フィンランド日本大使館のホームページ(2016年4月28日付)によると、同大使館と超党派で作る「日本フィンランド友好議員連盟」が中心となり、フィンランドの企業が無償で提供した液体ミルク約5200個を4月27日に熊本の被災地に送った。マヌ・ヴィルタモ駐日フィンランド大使が被災地を訪れ、保育園児に液体ミルクと一緒にムーミンのぬいぐるみもプレゼントした。ムーミンは、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの絵本がもとになっている。

   この時、ヴィルタモ大使と一緒に液体ミルクを配り、被災者を励ましたのが同議員連盟会長の小池百合子衆院議員(当時)だった。現東京都知事である。小池氏はその後、都知事選の選挙中、震災対策として乳児用液体ミルクの普及と保育施設での備蓄を訴え、液体ミルクの浸透に努めている。

   フェイスブック上には液体ミルクを推進するグループのサイト「乳児用液体ミルクプロジェクト」があり、熊本地震後、次々と投稿されている。

「熊本にすみ、土日にボランティで被災地に入っています。被災者から乳児の授乳が一番困ったとの声を聞きました。液体ミルクの認可が下りない背景は、大手が粉ミルクを製造しているからと思っています。粉ミルクは液状ミルクより収益が固いし、物流コストも安くつきます。製造コストの関係上、中小乳業メーカーでないと無理かと思えます」
「私も3か月の次男をミルクで育てています。お湯や水があることが前提の粉ミルク。災害時には、どうしたら良いのかと不安です。どうか、日本でも広がりますように」
「(液体ミルクは)昔使っていましたが、便利で安全でしたよ。うちの子供たちは母乳メインでしたが、疲れたり環境が変わったりすると母乳が出ないこともあって、そういう時は本当に助かりました。被災されている環境では大変助けになると思います。なぜ日本でできないのか不思議。」
「そんなに便利なら使えるようにすべき。母乳だ、人工乳だという問題ではなく、危機管理の一つでしょ」
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