2018年 10月 16日 (火)

宇多田ヒカル「東京は子育てしにくそう」 「ベビーカーに嫌な顔」日本人は冷たい?

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   シンガーソングライターの宇多田ヒカルさんがテレビ番組で、「東京は子育てしにくい」と発言した。友人から、子どもと外出した際に嫌な体験をしたことがあると聞いたという。宇多田さんは現在、2015年に生まれた長男をロンドンで育てているが、現地では「子連れでどこに出ても嫌な顔はされない」。

   内閣府の調査でも、海外で育児経験のある日本人の多くは「海外の方が赤ちゃんや子連れに優しい社会だ」と考えているという結果だった。日本社会は、そこまで育児に無理解なのだろうか。

  • 東京は子育てに不寛容なのか?
    東京は子育てに不寛容なのか?

「赤ちゃんが生まれて国が成り立っていくのに」

   宇多田さんは15年7月3日にブログで出産を公表して以来、ツイッターでも育児についての投稿が多い。2016年10月20日放送の「NEWS ZERO」(日本テレビ系)のインタビューで、「日本で子育てしたことがないので、私の認識が間違っている可能性もありますが」としながら、東京で育児中の友達に聞いたという話を紹介した。

「東京って、なんて子育てしにくそうなんだろうと、ビックリします。外で赤ちゃんが泣いていたらすごく嫌な顔をされるとか、ベビーカーで外に行って乗り物に乗ると、周りがまったく協力してくれない上に、『なんだよ、こんな時間に...』みたいな視線を投げかけられたり、実際に何か嫌なことを言われたり、という体験談を結構聞くんですよね」

   そして、「赤ちゃんが生まれて国が成り立っていくのに、その赤ちゃんが将来自分の年金を払う人になってくれるのに、なぜそんなちょっと泣いているぐらいで嫌な気持ちになるんだろうって、すごく不思議です」と語った。

   一方ロンドンは、「公園やレストラン、お店でも、お母さんと赤ちゃんがそこら中にいるんです。レストランで授乳も全然しますし、嫌な顔は何もされないです」と明かす。宇多田さんは、育児に対する理解の高さはロンドンに軍配を上げた。

育児中の母親で「日本社会は子育てに寛容」と思うのは13.9%

   子連れで外出して傷ついたというエピソードは、相談サイト「Yahoo!知恵袋」でもいくつも報告がある。10月15日の投稿者は、子どもとバスに乗ったら、高齢者に「あからさまに嫌な顔をされた」「『ベビーカーたたみなさいよ』と言われた」といい、「本当に子育てしづらい世の中だと感じます」と思いを吐露した。

   8月31日に投稿した相談者は、「ママ友」と子連れでランチバイキングに出かけたら、店内を動き回ったり大声を出し始めた子どもたちに対し、中年の女性グループから「すごい形相で『うるさい!』と言われてしまった」そう。すると、子どもが泣き出して「食事どころでなく、慌ててお店を出ることにした」。相談者は、「子どもの騒ぎ声は迷惑でしょうし十分反省している」としつつ「そんなに冷たくされるとは、本当に悲しかった」という。

   教育玩具を販売するボーネルンド(本社・東京都渋谷区)が15年4月21日に発表した「現代の子育て環境や子どもがいる場面に対する意識調査」によると、子育て中の母親412人のうち、「自身の周囲や現在の日本社会は子育てに寛容だと思うか」の質問に、「とても寛容だ」「やや寛容だ」と答えたのは13.9%にとどまった。「あまり寛容でない」「まったく寛容でない」と答えたのは47.3%だった。「子どもと外出中に不安や不便を感じたり困ったりしたら、どうしているか」の質問には、82.7%が「我慢して1人で解決しようとする」と答え、「他人に協力を求める」のは18.9%だった。

親も周囲も互いに配慮するのが大事

   内閣府政策統括官が09年3月に発表した、海外で子育て経験のある父母100人へのインタビュー結果をみると、日本に比べて海外での育児は「子連れの人に周囲が温かい」「ベビーカーで出かけても皆が手伝ってくれる」「妊婦や子ども連れでの外出で、バスや電車の乗り降りの時、出勤途中のサラリーマンも頼まなくても進んで助けてくれた」といった回答がある。内閣府は「海外での子育て経験者の多くが、日本よりも海外の方が『赤ちゃんや子連れに優しい社会である』と実感している」と分析している。

   一方で、こんな話もある。3歳の子どもを持つ都内在住のある30代女性に取材すると、「ベビーカーで出かけた先に段差があったので、自分で持ち上げて運ぼうとしたのですが、近くにいた男性が一緒に持ってくれました」という。

   J-CASTヘルスケアは、育児関連講座の開催や講演を行う一般社団法人「日本育児支援協会」の花田徹男代表理事に電話取材した。花田氏は、「育児に無理解であるとは一概には言えないかと思います。育児経験があるかどうかでも、他の親子への見方は変わり得ます」と話す。

「同じ育児中の人は、公共の場でも子どもの泣き声を聞いていられるかと思いますが、そうではない人や、子どもが成人して何年も経っている人は、不快に思うかもしれません。ただ昨今は、母親だけでなく父親や祖父母が育児に携わる機会が増えていますので、徐々に理解も広がっていくのではないかと思います」

   それでも、社会が育児に不寛容だと感じる親が一定数存在するのも事実だ。花田氏は、「特効薬はなく、すぐに解消はできないでしょう」として、こう述べる。

「長い目で見て、子育てへの理解が深まるよう啓発を続けるほかないと思います。たとえば、人ごみで子どもの泣き声が聞こえたら、イライラしてしまうのは仕方ないと思います。でも、それをにらんだり、『うるさい』と怒ったりするのではなく、温かく見守れるか。子どもの親もある程度気を遣うべきでしょうし、お互いに配慮するという心掛けができるかどうかが、大事かと思います」

   5歳の子どもを持つ都内在住の40代女性は、「子どもが迷惑をかけたら親の私の責任です。でも、子どもはどんなに注意してもなかなか聞いてくれない場合もあります」と話す。また、「たとえば大人のショルダーバッグは、小さい子どもの顔に当たる高さです。電車内や歩道で当たりそうになったら、親が少し手をバッグの前に入れて防がせてもらうのは許してほしいかなと思います」と理解を求めた。

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