2018年 8月 16日 (木)

大人のバレエ:40代で始めても効果抜群 姿勢がキレイになり開脚ペッタリも

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   女性なら、小さい頃にバレリーナに憧れた人が多いのではないだろうか。女の子の習い事というイメージが強いバレエだが、健康や美容のために40代からバレエを始める人が増えている。

   バレエの基本動作には、ほかのスポーツにみられない筋トレ効果があり、最近、高齢者の間で問題になっている「ロコモ」を予防するとして、専門医の学会が推奨している。

  • 40代から初めてもこれくらい開脚が可能?
    40代から初めてもこれくらい開脚が可能?

米国学会が「ロコモ予防」の最強エクササイズと推奨

   「ロコモ」とはロコモティブシンドローム(運動機能障害症候群)の略称だ。筋肉や骨、関節などの組織が弱って、「立つ」「歩く」といった基本動作が難しくなり、「要介護」の一歩手前までいく状態をいう。2010年の厚生労働省研究班の調査によると、運動不足などが原因で全国に「ロコモ」予備軍が約4700万人もおり、40代男女の5人に4人が予備軍だとわかった。

   2016年10月27日、米国整形外科学会は機関誌「AAOS」で、「ロコモ予防のために全国民にバレエを推奨する」という声明を発表した。発表資料によると、バレエはすべての年齢層で関節の可動域を広げ、筋肉を強化することに役立ち、ロコモの予防にはあらゆるエクササイズの中で最も優れているという。アメフトのプロ選手の多くがケガの予防のためにバレエエクササイズを取り入れていると強調した。同学会のスポーツ医学専門医のニコライ・ディヌビール医師は、バレエの効用をこう説明する。

   「ほとんどのスポーツ競技は、特定の運動を行ない、特定の筋肉を使うため、体の不均衡を生みだします。だから運動選手の多くは体のバランスが悪くなり、ケガにつながるのです。しかし、バレエにはこれらの不均衡を是正し、体を柔軟にして体幹を鍛え、体のバランスをよくするプログラムが盛り込まれています。効率よく体力がつくばかりか、ケガの防止に役に立つのです」

   そして、バレエの素晴らしさとして具体的に次の点を上げた。

(1)バレエのストレッチは関節をやわらかくし可動域を広げるため、体の年齢が若返る。また、何よりバレエの動きは体重の移動が中心のため、器具を使わないでスムーズに筋肉トレーニングができる。
(2)ダンスには静止したり、ジャンプしたり、様々な動きがあり、筋力を高めると同時に、どのスポーツにも必要なバランス感覚と筋肉全体のコントロール能力を養うことができる。また、動きがやわらかいため、筋肉がゴムのように強靭な弾力を持ち、ケガをしにくくなる。
(3)バレエは体幹が強くなるため、姿勢が良くなり、背中や腰、肩、膝の痛みを防ぐことに役立つ。特にバレリーナが膝の靭帯を負傷するケースは、野球やバスケットボールなど球技の選手よりはるかに少ないという報告がある。
(4)バレエで最初に練習する基本ポーズには多くの筋トレ効果がある。たとえば、かかとを床につけたまま膝を曲げる「プリエ」や、つま先立ちの「ルルベ」は、膝、足首をはじめ足全体を強化する。片足を後ろに上げる「アラベスク」は、臀部や体幹の深層筋を鍛える。また、「ジャンプ」はバランス感覚と敏捷(びんしょう)性を養う。

   このように、バレエにはケガを予防しながら筋力を高める効果があるため、ディヌビール医師は特に中高年に勧めているが、最初はベテランのバレエ指導者から学ぶようアドバイスしている。

50代過ぎでもチュチュを着て踊る喜び

   日本でも中高年女性の間でバレエを始める人が増えている。スポーツジムの中には昼間の時間帯に「大人女性のバレエ教室」を設けるところが多いし、「クロワゼ」(新書館・季刊)という大人のバレエ初心者向け専門誌が出ているほどだ。女性向け投稿サイト「発言小町」の「大人になってからのバレエ」(2009年10月23日)を見ると、「バレエを始めた娘を見て、自分もやってみたくなった」という人が多いようだ。

「娘が楽しそうに習っているのを見て、40歳過ぎで思い切って始めて4年。カチカチに硬かった体が、開脚してペタリとお腹が付くほどやわらかくなりました。発表会でチュチュを着て踊る勇気はありませんが(観客の方に申し訳ないので)、50歳過ぎでもチュチュで踊る方々が多いです。体が引き締まり、姿勢が良くなるのか、『顔が小さいね』と言われることが増えました」
「41歳から始めました。私の教室は、こう言っては失礼ですが、『え、その年でレオタードにヒラヒラスカートがいけちゃうの?』と思う方々ばかり。一番若くて50歳くらい、最高齢は70代前半。バレエ教室の事務の方に聞くと、中年以降になって始める方がほとんどで、常にキャンセル待ちの状態とか」
「50代後半から始めました。もうバレエなしの人生は考えられません。バレエは体に整合性のある動きばかりで、無理をしません。気持ちの良い汗が出て、体脂肪が減り、肌がキレイになりますよ。50代からでも体型は関係なし。初めは体を隠すウエアを着ていましたが、そのうち体の線を出したくなりました。トゥシューズも夢ではありませんよ!」

優雅に踊ると意外に疲れ、使わない筋肉を強化する

   日本経済新聞プラスワンの「バレエに学ぶ肉体改善法   血行よくする効果も」(2014年4月17日付)の記事の中で、DVD「バレエ・ストレッチ」を出しているトップダンサーの西島千博さんは、基本動作を学ぶうえで最も大切なのは、基本姿勢と呼吸だとしたうえで、3つの点を強調する(要約抜粋)。

「基本姿勢は、つま先を広げ、背筋を伸ばして肩を開き、まっすぐ立つ。これが意外とできていない人が多い。呼吸は、鼻から吸い口から吐く。吸うときは腹筋を引き上げる感じでおなかを引っ込めるとよい。基本動作の最中も呼吸を止めないこと。呼吸がしっかりできれば激しい運動をしても疲れません。代謝が良くなり、ストレッチ効果が上がります」
「2番目は、ひとつひとつの動作の時、指先やつま先をぴんと伸ばすことを意識し、手足を優雅に動かす。優雅に動かすのは意外と疲れ、普段使わない筋肉の強化になります。3番目に、考えなくても自然に体が動くようになるまで毎日続けること。初心者は無理な負荷で体を痛めないよう注意してください。1日20分でいいから毎日続けることが大事です」

   そして、音楽を聞きながら体を合わせるとさらに効果がアップする。クラシックだけでなくディズニーやジブリの曲をバレエ用にアレンジした曲も市販されている。バレエは楽しみながら踊ることに醍醐味がある。

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