2019年 1月 21日 (月)

インフルのワクチン接種で新発見 効果を4倍に高める時間帯はいつ

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   2016年冬のインフルエンザは、過去7年で最も早いペースで流行期を迎えたが、早く予防接種を受けたい人に参考となる研究が注目されている。ワクチンは、午後よりも午前中に接種した方が4倍も効果的――。

   そんな可能性を示す研究を大阪大学のチームがマウスの実験からまとめ、米科学誌「The Journal of Experimental Medicine」(電子版)の2016年10月31日に発表した。

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体内時計のサイクルでワクチンの効きが違う

   インフルエンザワクチンの効果については個人差があり、すべての人に効くとは限らない。ワクチンが作り出すウイルスに対する抗体の量が不十分だと発症してしまう。抗体の量を多くする方法がわかれば、ワクチンの効果を高めることができる。大阪大学の発表資料によると、研究チームはマウスの実験から、抗体を作る免疫反応が強く起こる時間帯を突きとめた。その時間帯にワクチンを打つと効果が期待できるという。

   研究チームは、交感神経の活動が「体内時計」に合わせて1日の中で変動することに着目した。夜行性のマウスは真夜中(午前1時ごろ)に交感神経の活動がピークに達する。免疫をつかさどるリンパ球は、リンパ節から放出され血流に乗って全身を巡っているが、その量は1日のうちで変動し、交感神経がコントロールしている。マウスでは交感神経の活動が活発になる真夜中に、リンパ球がリンパ節に昼より1.5~2倍多く集まる。

   一方、接種されたワクチンはリンパ節に運ばれ、病原体を攻撃する抗体が作られる。マウスのワクチン接種を真夜中(午前1時)と昼間(午後1時)に分けて行い、作られた抗体の量を比べると、真夜中の方が昼より約4倍多かった。リンパ球が多い時間帯の方が、免疫反応が進み、抗体が多く作られるのだ。

   研究チームリーダーの鈴木一博特任准教授は、発表資料の中で「昼間に活動する人間の場合は、交感神経の働きが最も高まるのは午前中です。だから、午前中にワクチンを接種すると、最も効率よく抗体が作られ、効果が得られやすくなる可能性が高い」とコメントしている。

65歳以上の高齢者は朝早くワクチンを打とう

   インフルエンザワクチンは午前中に接種すると効果が高まるという研究は、英バーミンガム大学のチームも専門誌「Vaccine(ワクチン)」の2016年5月号に発表している。その論文によると、研究チームは65歳以上の高齢者276人を、午前9~11時にワクチンを注射するグループと、午後3~5時に注射するグループの2つに分け、体内で作られる抗体の量を比較した。

   すると、午前の方が午後よりはるかに多く抗体が作られることがわかった。その差の割合は、インフルエンザA型~B型の3つのタイプで、それぞれ平均16~293%に達した。一般に高齢者は、インフルエンザワクチンの効果が若い世代の人より出にくい。しかも、インフルエンザにかかると肺炎などの深刻な症状を引き起こしやすい。そこで、研究チームは論文の中で「今回の研究ではワクチンによる副作用はみられませんでした。65歳以上の高齢者は、なるべく朝早くにワクチンを打つよう勧めます」とコメントしている。

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