ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の「mixi」が展開している、人気ロックバンドのASIANKUNG‐FUGENERATION(通称、アジカン)とのコラボレーション企画「mixi日記を『リライト』しよう!」キャンペーンが、話題を呼んでいる。オープンした特設サイトで、当時の自分や友人などが書いた日記をmixiにログインしてリライト(再表示)することで簡単に読み返せるサービスだが、これが過去に書いた日記、「黒歴史が掘り起こされる!」と、大慌てするユーザーが続出しているようだ。「『リライト』しよう!」キャンペーン「mixi×ASIANKUNG‐FUGENERATIONmixi日記を『リライト』しよう!」キャンペーンは、2016年11月30日に発売された「アジカン」のアルバム「ソルファ」の再レコーディング盤を記念した。アジカンの大ヒット曲「リライト」にちなんだキャンペーンで、アルバム「ソルファ」の発売が、「mixi」のサービス開始と同じ2004年だったことから、アジカンの「当時を思い出すきっかけにしてほしい」との想いを具現化した。mixiにオープンした特設サイトにログインして、2004年当時の自分が書いた日記や友人(マイミクシィ=自分と相互でフォローしているユーザー)が書いた日記をリライト(再表示)することで振り返ることができる。過去の日記を見ることができる、このサービスに驚いたのがmixiユーザーだ。「なにやとんねん。やめてんか」「マイミクの公開日記もなかなかに閲覧注意w」「これは恥ずかしいw リライトせんといてwww」「恐ろしいほどに黒歴史まみれなんですが・・・(震え)」「たのむ。消してくれええええええ!!!!!」ツイッターには、こんな声が殺到する。なかでも、2004年当時に青春を謳歌していたmixiユーザーは阿鼻叫喚。日記を非表示にしようと、必死にログインを試みるも、肝心のパスワードを思い出せずに頭を抱えている人も少なくないようだ。ミクシィによると、「『ログインできない』『メールアドレスがわからない』といったお問い合わせが増えています。ただ、誤解があるのは、日記が広く公開されるわけではありません」と説明。特設サイトで表示される日記は、公開範囲を「非公開」に設定することができ、あくまで設定された公開範囲内に限られるという。「このキャンペーン、捨て身すぎるわ」とはいえ、ツイッターには、「死に物狂いでパスワード思い出して非公開にしてきたけど、読み返すたび死にたくなった......もう死んでくれわたし。しかし何やってくれてんのmixi、昔の日記がやばくないやつなんているのかよ。みんな一緒に死のう」「昔の日記のダメージでかすぎて死んだ」などと疲れきったmixiユーザーの声が寄せられる。特設サイトには、「閲覧注意!閲覧注意!」「青春の軌跡?黒歴史?昔の日記を見てみよう」など、「パンドラの箱」を開けさせようと、ユーザー心理を煽るようなフレーズが見られることから、「mixiさん、えげつないわ。離れたユーザーを振り向かせるために『戻らないと過去の日記をばらまくぞ!』って...」「このキャンペーン、捨て身すぎるわ」との声もある。「昔を振り返っていただき、楽しんでいただくのが目的です」「ミクシィ」というと、いまやスマートフォン向けゲームアプリ「モンスター・ストライク」に代表される、押しも押されもせぬ携帯ゲームを手がけるIT大手の印象が強い。 SNS「mixi」は、そのミクシィの土台をつくった。2004年3月にサービスを開始した、SNSの老舗の担い手で、一世を風靡。ただ、ここ数年はフェイスブックやツイッター、LINEなどに押され、すっかり鳴りを潜めていた。ツイッターでは、「まだあったんだ」といった声が散見されるほど。一時は「身売り」報道も出るなど、mixiユーザーが減少傾向にあることは間違いなく、退会しないまでも「幽霊」会員も少なくないとみられる。さらに今回のキャンペーンをきっかけに、退会するユーザーもいるようで、「mixiがトレンドに入ってたので見てみたら『mixi今回の件で久々にログインしたから退会しといた』というつぶやきの多さ。おい客減らしてんぞ」との指摘もある。キャンペーンとはいえ、なぜmixiユーザーの「掘り起し」に踏み切ったのか――。ミクシィは2016年12月7日、J-CASTニュースの取材に、「日記の公開を通じて昔を振り返っていただき、楽しんでいただくのが目的です。改めて開いてもらうきっかけになったり、新規登録していただいたりしています」と話す。キャンペーンは、12月16日23時59分まで実施。今回のキャンペーンが「起爆剤」になるかどうかはわからないが、「mixi」を含む同社のメディアプラットフォーム事業は、2016年4~9月期の売上高が72億円で前年同期比14.1%増だったが、セグメント利益は9億円で17.1%減少した。この事業の成長株は、2015年3月に買収したフンザが手がけるチケット売買サービスの「チケットキャンプ」だが、ミクシィは「(「mixi」を閉鎖することは)ありません」と断言する。
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