松竹系のシネマコンプレックス「MOVIX」の「ブランケット(膝掛け)」の貸し出しサービスが中止されている。夏の冷房の効きすぎや寒い冬に、劇場で腰まわりや足もとを温めてくれるブランケットはとても重宝する。なかでも女性にはうれしいサービスのはずだが、なぜ中止されたのだろうか?「ブランケットで涙を吹いてしまい、すいませぬ」全国31の劇場(共同を含む)、300のスクリーンを展開する「MOVIX」を運営する松竹マルチプレミックスシアターズによると、「ブランケット(膝掛け)」の貸し出しサービスの中止は2016年11月中旬から、劇場の判断で順次中止している。劇場を訪れた人はそれぞれ入り口や待合所などの告知を見て、ツイッターには、「MOVIX、ブランケットの貸出やめたのね。冬は暖房が効いているからいらないけど、夏場のクーラー効きすぎのとき困るな」「自動音声による館内放送を聞いてビックリ。ブランケットの貸し出しをやめたらしく、代わりにブランケットを販売している」「映画館でブランケットサービスがないことを知って驚きましたが、寒かったら調整するので言ってください、って言われてさらに驚きました」といった報告が寄せられていた。劇場の告知にある中止の理由は、「衛生上...」としか書かれていない。ツイッターのまとめサイト、togetterには「『涙』が原因ではないか?」との「まとめ」がつくられた。検索してみると、そこには「泣けた!貸し出し用のブランケットで涙拭いた(笑)」「映画館で借りたブランケットで涙を拭いながら(笑)見たよ」「ブランケットで涙を吹いてしまい、すいませぬ」「映画館の前に『ブランケットの衛生面を考え貸出を廃止』って書いてあった。あ~この前、涙でブランケットビッチョビチョにした私のせいだわ」といった声が寄せられていた。たしかに、ブランケットで涙をふいている人はいるようだ。その半面、「借り物のブランケットで涙を拭くなどという発想はなかった。世代の断絶か社会の断絶か知らんけど、そういう事できる人って何処に生息してるの...」「は...!? まじ...まじで...!? ブランケットで涙を...!?!? 汚い!!」などと、ブランケットで涙をふくことはあり得ないとの声が多かった。「涙はあまり関係ありませんね・・・」さらにツイッターは盛り上がり、「冬場は暖房が効いてていいけど、夏は薄着の人が寒くて映画を楽しめなくなる。少なくとも冷房をする季節には絶対に必要!来年の夏には復活してもらいたいな」「別にブランケットの貸し出しなんて、そんなにコストのかかるサービスではないと思うんだけど、なんでやめちゃうんだろう。小さなコストを削ってお客の満足度を落とすのはかえってマイナスじゃないかな?」などといった声も寄せられる。気になるのは、その「衛生上の理由」だ。本当に「涙」が貸し出し中止の直接の原因なのだろうか――。J-CASTニュースが2016年12月7日、松竹マルチプレミックスシアターズに取材したところ、「涙はあまり関係ありませんね。そんなにこだわってはいません」と話した。直接の原因は、クリーニング代だ。「ブランケットは毎回クリーニングに出します。それが維持できなくなりました」と説明する。つまり、衛生面をしっかり維持できなくなったため、貸し出しを中止したというわけだ。また、ブランケットで「涙」をふいても、それほど汚くはないようでもある。同社によると、ブランケットの貸し出し需要が冬場よりも夏の冷房時に多いこともわかってはいるが、「夏場の(復活する)予定もありません」という。
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