新築マンション、バブル崩壊直後なみ 「中古が人気」で首都圏販売は低水準

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   2016年の首都圏(1都3県)の新築マンションの平均価格は5490万円で、中古マンションの3049万円と2400万円余の差がついた。いずれも価格は上昇局面にあるが、新築マンションの販売がバブル崩壊直後並みに落ち込む中、中古マンションの成約件数は過去最高となるなど明暗を分ける結果となった。資材価格や人件費の高騰で新築マンションの価格が上がっているため、バブル崩壊後に大量供給されたマンションが中古物件として出回り、新築の需要を取り込んでいるようだ。

   民間の調査機関、不動産経済研究所の2017年1月19日の発表によると、16年の首都圏の新築マンション発売戸数は前年比11.6%減の3万5772戸で、バブル崩壊後の1992年(2万6248戸)以来、24年ぶりの低水準となった。4万戸を切るのは、リーマン・ショックの影響を受けた2009年(3万6376戸)以来で、16年の新築マンションの販売が低調だったことを裏付けている。発売戸数に対する契約率は68.8%と、好調の目安となる7割を割り込んだ。これも2009年以来、初めてだ。

  • 中古マンションの需要が高まっている(画像はイメージ)
    中古マンションの需要が高まっている(画像はイメージ)

平均価格は高止まり

   人手不足による人件費と資材価格の高騰などで新築マンションの平均価格が5490万円と高止まりしているのも要因という。新築マンションの価格は2014年以降、5000万円台に上昇し、16年は15年の5518万円を下回ったものの、なお高水準が続いている。

   首都圏の新築マンションの発売戸数は2000年の9万5635戸がこれまでのピーク。直前の1997年に5%となった消費増税の影響が一服したほか、90年代後半から増えたタワーマンションが人気を集めたのが理由という。その後、首都圏の新築マンションの発売は2005年まで8万戸台で推移。リーマン・ショック後の09年を底に15年までは4万~5万戸台で推移していた。

   平均価格はバブル期だった1990年の6123万円がこれまでのピークで、93年以降は2013年まで4000万円台が続いていた。

   一方、公益財団法人の東日本不動産流通機構によると、2016年の首都圏の中古マンションの成約件数は3万7189件で、前年比6.9%増となり、2年連続で上昇。13年の3万6432件を抜き、過去最高となった。平均価格は3049万円で、前年比5.4%増と4年連続で上昇し、1994年以来、22年ぶりに3000万円台に乗せた。

金利上昇局面に転じれば...

   日銀のマイナス金利政策で住宅ローン金利は低下しており、新築・中古にかかわらずマンションは購入しやすいはずだが、「新築マンションの価格が高い状態が続いているため、消費者の動きは鈍くなっている」(不動産経済研究所)という。住宅ローンはしばらく低金利の状態が続くとみられるため、消費者は買い急ぐ必要もない。これが金利上昇局面に転じれば、低金利のうちに購入しようという意識が働き、新築マンションが売れ出すという。

   新築マンションの価格上昇に釣られる形で、中古マンションの価格も上がっているが、平均で2400万円余の価格差から中古マンションの需要が高まっているようだ。成約した中古マンションの平均築年数は20.26年(前年は20.13年)と経年化が進んでいる。バブル崩壊後に大量に販売されたマンションが、中古の優良物件として出回り始めていることも、中古マンションが売れる要因とみられている。

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