2024年 4月 24日 (水)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
「森友」問題で露呈した 「官僚の裁量で文書管理」の罠

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なかったはずの文書が「いろいろと出てくるはずだ」

   前の本コラムでも指摘したが、そんな官僚に文書保存規則を任せている。そこがおかしいのだ。

   この文書保存には、いろいろな経緯がある。筆者が第1次安倍政権の時、国家公務員改革が企画されている。そのときの基本法では、文書保存義務が書かれている。しかし、その基本法を骨抜きにしたい官僚たちは、福田政権になると、基本法の代わりに文書管理法を制定した。文書管理法では、法令上は文書保管義務が書かれていたが、その実施は官僚の裁量で決められる政令や各省規則に委ねて、骨抜きにした。

   民主党への政権交代後、官僚たちは政権運営に不得手な民主党下で、文書管理法の政令や各省規則を作った。そこで、今回のように文書を廃棄したとしても、「法令に基づき、適切に処理」となるわけだ。

   もっとも、これからは、なかったはずの文書がいろいろと出てくるはずだ。森友学園問題は、いろいろな刑事事件(告発を受理)、民事事件になっている。そこで、財務省も関係者になってくるが、そのとき資料がないでは済まないのだ。今の役所の文書は電子化され、職員のPCやサーバー上で記録されており、各種のメールも含め、いろいろなところにある。職員は仕事上、紙のファイルも持っている。裁判ともなれば、必死にかき集めてくるので、なかったはずのファイルが出てくる。財務省の嘘が後でバレてくるだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「図解ピケティ入門」(あさ出版)、「これが世界と日本経済の真実だ」(悟空出版)など。


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