2024年 5月 8日 (水)

キレイは「美肌菌」で手軽に手に入る 顔に住む数千万個の微生物の活用術

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【美と若さの新常識 自分力で手に入れる美肌】(NHKBS)2017年4月13日放送
美肌菌パワーがスゴイ メリットは保湿効果だけではない

   女性ならば誰でも憧れる美肌。美肌を手に入れるために高級化粧品の使う人は少なくないが、おカネをかけずに自分の力で手に入れる方法がある。

   それは、お肌に住んでいる「美肌菌」を育てるというもの。「ヤダ~、バイ菌!?」と眉をひそめたアナタ。お肌本来が持つ「自分力」を生かすキレイの新常識だそうですよ。

  • 顔の中に住んでいる「美肌菌」
    顔の中に住んでいる「美肌菌」
  • 顔の中に住んでいる「美肌菌」

グリセリンを分泌し、お肌にいいことばかりする

   番組の冒頭、MCのお笑いコンビ・フットボールアワーの後藤輝基がゲストたちに聞いた。

「みなさん、そもそも美肌とは何でしょうか? 番組では、こう定義しました」

   そして、お肌に以下の5つの条件がそろっていることとした。

   (1)うるおいがある。

   (2)毛穴が目立たない。

   (3)キメが整っている。

   (4)なりと弾力がある。

   (5)シミが目立たない。

   この日のゲストは、美容家のIKKO(イッコ)、お笑い女性芸人のキンタロウ、フリーアナウンサーの高橋真麻。一同、大いにうなずいた。

MCの後藤輝基「この条件を完璧にクリアすることは難しいですね。おカネがかかります。IKKOさんはいくらくらいかけているの?」
IKKO「あたし、350万円くらいかしら」
キンタロウ&高橋真麻「(絶叫して)ええっ、そんなに!」
IKKO「フフフ、これでもプロの美容家よ」
MCの後藤輝基「普通の人は、IKKOさんのように高級化粧品におカネをかけられませんね。そこで、自分の力で安く美肌を手に入れる方法があるのです。それは顔の中にいるバイ菌、『美肌菌』を使うのです」

   「美肌菌」とは何か? 実は、私たちの顔だけでも5~7種類、数にして1000万~10億に及ぶ菌が住んでいる。そんな肌に存在する菌を総称して「皮膚常在菌と呼ぶ。これまで雑菌として見過ごされてきた皮膚常在菌の中に、肌に美しさをもたらしてくれる菌がいることが判明した。それが「エピデルミディス」、日本語では「表皮ブドウ球菌」(美肌菌)という。この表皮ブドウ球菌には、グリセリンを分泌し、肌を保護して水分を保ってくれる働きがある。

MCの後藤輝基「このグリセリン、耳にした覚えがある方も多いのでは? 皆さんが普段使っている化粧品の原料に使われている代表的な保湿成分がグリセリンです。つまり、美肌菌にしっかり働いてもらえれば、化粧品と同じ効果が自動的に得られるというわけなんですよ」
キンタロウ&高橋真麻「知らなかった。素晴らしい!」

   しかも、美肌菌は表皮のすぐ下の角質の中に住んでいる。市販の化粧品は、角質層の外側のみに働きかけるが、美肌菌は角質層の中でグリセリンを分泌するため、より確実に肌のうるおいを保つ。美肌菌をしっかり育ててあげることで、肌内部からしっかりうるおうことができるわけだ。

美肌菌は人間の肌を守るため、人間と一緒に進化した

   番組には「表皮ブドウ球菌」研究の第一人者で、これを「美肌菌」と名づけた東京女子医科大学皮膚科の出来尾格(できお・わたる)医師が登場した。出来尾医師は2010年に臨床研究で、表皮ブドウ球菌の美肌効果を初めて確認し、専門誌に論文発表をした。女性被験者の美肌菌を増やしたところ、肌の水分量が平均で1.33倍も増えた。

MCの後藤輝基「出来尾先生、ほかにも、お肌にいいことをしてくれるそうですが」
出来尾医師「はい、美肌菌は肌にいいことしかしません。顔には黄色ブドウ球菌という菌が住んでいます。この菌はアトピー性皮膚炎や食中毒の原因になる悪玉菌ですが、コイツの繁殖を抑えてくれます。黄色ブドウ球菌の天敵といっていいでしょう。美肌菌は人間の肌を守るために、先祖の霊長類の時代から人間と一緒に進化してきた、いわば伴侶なのです」
高橋真麻「誰にでもいるのですか? 多ければ多いほどいいのですか」
出来尾医師「はい。誰にでもいて、多ければ多いほどいいです。個人差があります。だいたい、平均で1センチ平方メートルあたり1000~1万個です」

   番組では、ゲストの3人と、MCのフットボールアワー・岩尾望の計4人の顔から美肌菌を採取し数を調べた。すると、驚くほどの差が出た。

   1位:IKKO............3万6000個

   2位:キンタロウ.........1600個

   3位:岩尾望...............480個

   4位:高橋真麻............400個

IKKO「(ドヤ顔で立ちあがり)わあ~、やったー!」
高橋真麻「(大ショックで沈黙)......」
MCの後藤輝基「出来尾先生、IKKOさんの美肌菌がずば抜けて多いのは、350万円の美肌ケアの中で、高麗人参系クリームとか乳酸菌乳液とかを使っているせいなのでしょうか?」
出来尾医師「驚きました。私がこれまで調べた人の中では、断トツに一番多いです。乳酸菌は肌を弱酸性に保つ効果があるので、美肌菌が住みやすくなるのは確かです。高麗人参系クリームは血流をよくするので、美肌菌にはいいのかもしれません」

   番組では、美肌菌を人工的に増やす研究を進めている長崎国際大学薬学部の取り組みを紹介した。微生物研究のエキスパート・野嶽勇一教授はこう説明した。

「微生物は、それで個人を識別できるくらい、特徴に個人差があります。他人の美肌菌を肌に移しても定着させるのは難しいです。だから、自分自身の菌を培養して増やさないといけません」

   長崎国際大学では、約1000人分の美肌菌を集め、マイナス80度の冷凍施設で保存、培養装置を使い10倍に増やして登録している。女性研究者が1週間に2回、培養した自分の美肌菌を顔にすりこんで「効果」を実験している。ある研究者の肌の「水分量」は58.0ポイント(乾燥肌)だったが、1か月後に62.5ポイント(うるおい肌)にアップした。60ポイントが境目なのだ。ただし、同大学の方法では、半年使用分で36万円(1か月6万円)もかかる。

美肌菌を増やすには、寝る前に運動し汗臭いまま寝る

高橋真麻「ギャア~、高いよ。もっと安く美肌菌を増やす方法はないの?」

   そこで、番組では出来尾医師の監修を受け、手軽に自分でカネをかけずに美肌菌を育てる方法を試してみた。出来尾医師自身もまだ実際に行なったことはない、初めての実験だ。女性お笑い芸人の松本ほるもんに、次の方法で1週間「育菌生活」を送ってもらった。

   (1)洗顔は、石けんの泡洗顔で優しく洗う。洗いすぎると、角質まで壊してしまい、その中に住む美肌菌まで流してしまう。ただし、薬用せっけんは美肌菌によくないので使わない。

   (2)防腐剤やアルコールが入っている美容液も絶対使わない。

   (3)そして、一番大事なことだが、寝る前に腕立て伏せや腹筋、スワット、ダンスなど汗が出る有酸素運動を行なう。しかもシャワーで汗を流したりせず、汗臭いまま眠るのだ。 出来尾医師はこう説明した。

「汗や皮膚の皮脂は、美肌菌のエサになるからです。朝までの8~12時間で増えるはずです」

   松本ほるもんはヒップホップダンスまでやって毎晩運動をして、「美肌菌サン、食べてねえ~」と顔の汗を手のひらで回しながら顔にすり込んだ。

キンタロウ&高橋真麻「ヤダ~、こんな美肌術。斬新すぎるよ~」

   そして、待望の1週間後、番組のスタジオで松本ほるもんの顔から採取した美肌菌の数の変化が発表された。

MCの後藤輝基「パンパカパーン! では、成果を発表します。松本さんの美肌菌の数は1週間前は120個でした。そして現在......」

   何と結果は120個。まったく変わらなかった。ただし、肌の「水分量」は58.8ポイントの「乾燥肌」から61.7ポイントの「うるおい肌」に増えていた。松本自身もこう語った。

「すごくうるおっていると実感します」

驚きの○○○○○効果が最後に待っていた

MCの後藤輝基「美肌菌が増えなかったのは、この番組がガチンコ勝負だという証拠ですね。出来尾先生、どうして増えなかったのでしょうか?」
出来尾医師「(申し訳なさそうに)私の採取の仕方がまずかったのかもしれません。美肌菌はムラがあり、1日のうちでも数が大きく変わりますから。それに1週間では短すぎた可能性があります」

   しかし、意外な方面で絶大な効果があった。80キロあった松本の体重が、77キロに減っていた。寝る前の運動が功を奏したのだ。

キンタロウ&高橋真麻「1週間で3キロ! 凄すぎでしょう!」
MCの後藤輝基「この番組はダイエットじゃないのですが。ま、いいでしょ」
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