2024年 4月 26日 (金)

体長1ミリの線虫が尿1滴で診断...早期発見のがん検査、実用化へ 

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がん患者の尿に引き寄せられる線虫

   線虫は、犬と同等の優れた嗅覚を持っており、まずがん細胞の培養液や血液に反応するかを調べたところ、がん細胞特有の分泌物の匂いに対して線虫が反応。がん患者のがん組織と正常組織とでは、がん組織の方を好むことが分かった。血液よりも採取が簡単な尿を用いた実験でも、がん患者の尿にはほとんどが引き寄せられ、健常者のものは逆にほとんどが忌避した。

   日立は、一部を自動化した線虫がん検査自動解析装置を試作し日立健保主催のレディース健診受診者の尿検体と海外バイオバンクから購入した尿検体の化学走性試験を実施。検査者が手作業で実施した場合と同等の精度でがん患者をがんだと判定できたという。

   「エヌ・ノーズ」が実用化されれば、尿一滴の提出と数百円の費用で診断が受けられるようになる見通し。両社によると、日本でのがんの疾病費用は、間接費用を含めると約10兆円と大きな社会的負担になっている。従来のがん検査・診断技術の高精度化だけでなく、がんを早期に発見することができる簡便かつ高精度な新しい検査方法が求められている。両社は実用化に向け、医療機関と連携した大規模な臨床的評価を計画していることも明らかにした。

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