2024年 4月 25日 (木)

「我慢しない」がダイエットの王道 糖質控えて食べたいものを食べる(後編)

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【美と若さの新常識】(NHKBSプレミアム)2017年4月27日放送
「我慢しないを学べ! ダイエットの王道」

   美声だけでなく美貌でも人々を魅了した20世紀最高のオペラ歌手マリア・カラスは、ダイエットのために寄生虫を飲みこみ、腸の中に飼っていた。そこまでツライ思いをしなくても「やせるためには我慢が大事」と思っている人は多いはずだ。

   しかし、それは古い常識。食べる喜びを味わいながらやせることができる「糖質制限ダイエット」のメカニズムを前編では明らかにした。後編では、その具体的な方法を紹介する。

  • パンも「低糖質」のものを選ぼう
    パンも「低糖質」のものを選ぼう
  • パンも「低糖質」のものを選ぼう

「やせないこと」がダイエットの成功!?

   番組の中盤、MCのお笑いコンビ・フットボールアワーの後藤輝基が、意表をつく「ダイエットの新常識」を発表した。

「『やせないことがダイエットの成功』です! (ゲストたちから『どんだけ~?』の声)。今までダイエットを取り上げた番組で、これほどスゴイ発言をした番組はあったでしょうか!」

   番組スタッフが東京都足立区のタクシー会社を訪れた。ここは、糖質制限ダイエットの提唱者である北里大学北里研究所糖尿病センター長の山田悟教授の指導を受け、従業員全員が肥満対策のダイエットに取り組んでいる。1日19時間勤務のローテーションで働く運転手は、運動不足になりやすい。その中で「ダイエットの成功者」として男性誌に取り上げられたのが、渡部健さん(46)だ。ところがカメラの前に現れた渡部さん、全然やせていない。太鼓腹のポッチャリ体型。どこが「成功者」なのか? 渡部さんの1日に密着した。

   昼の12時。タクシー車内で手作り弁当を開く。ご飯はお椀半分。1食当たりの糖分40グラムをしっかり守っている。おかずは焼き鮭、野菜サラダ、焼き卵...と結構盛りだくさん。

渡部さん「カロリーは気にしません。糖分だけは、おかずを見ただけで○○グラムとすぐわかるようになり、気をつけています」

   勤務中はずっと車の中で特に運動などしない。晩飯はコンビニで買った。厚切りベーコン、大きめのサラダパック、ゆで卵、チーズ...と結構こってりしたものが多い。ただ、パンは「低糖質」のものを買った。

   渡部さんは、見た目にかかわらず、この1年で体重が86キロから82キロに、ウエストが108センチから100センチにやせた。何よりの成果は、血糖値(食後の正常値140ミリグラム未満)が162ミリグラムから128ミリグラムに下がったことだ。メタボリックシンドローム(代謝異常症候群)が見事に解消された。指導にあたった山田教授がこう解説した。

「『やせないことが成功』はちょっと言い過ぎですが、『急にやせないことが成功』なのです。渡部さんは無理にやせていません。日々の食生活では、糖質だけを控え、ちゃんとアブラやタンパク質を満足がいくまで食べています。だから、この先もずっとダイエットを続けることができるのです」
MCの後藤「ベーコンまで食べていましたものね」

   寿司を「おかず」に白米を食べる女性に効く方法とは?

   番組では、ゲストの物まね芸人・やしろ優が「無理を一切しない」ダイエットに挑戦した。やしろ優は変わった食生活の持ち主だ。何しろ、ご飯が大好きで、店屋物の握りずしを「おかず」に、白米を丼で食べることを無上の喜びにしている。「糖質」のとりすぎだ。こんなやしろ優のダイエットを指導するのが、女子栄養大学教授の蒲池桂子教授。同大栄養クリニックで、一人ひとりの性格や食生活歴に合ったオーダーメイドのダイエット指導を30年間続けてきた。

   蒲池教授はやしろ優とたっぷり面談し、食生活の欠点を見抜いた。1つは夫の遅い帰りを待って食事を作るため、晩飯が夜10~11時になること。2つ目は寿司と白米の食べすぎである。そこで、次の2つの改善を提案した。

(1)晩飯を食べる時間を1時間早める。夜10~11時では、食べたらすぐに寝ることになり、エネルギーが消費されないからだ。
(2)寿司は自分で握る。その際、寿司飯に入れるのは酢だけにして、砂糖は使わない。また、寿司飯には白米ではなく、雑穀米を使う。これで、だいぶ糖質を減らすことができる。

   この2つだけを守り、あとは好きなだけ食べて1か月が過ぎた。

やしろ優「私はまったく我慢しませんでした。寿司を自分で握るのは楽しかったです。何となく寝起きがスッキリした感じになりました」

   そして、スタジオで体重や脂肪量を測ると...。結果は次のとおりだった。

(1)身長156.4センチ⇒変わらず。
(2)体重81.3キロ⇒79.4キロ。
(3)脂肪量38.7キロ⇒37.3キロ。

やしろ優「ヒャッホ~!(両手をあげてガッツポーズ)」
蒲池教授「まだ、1か月ですが、脂肪が確実に落ちています。我慢を一切しないでここまでやれば、成功といえるのではないでしょうか」

   やしろ優は、寝る時間を1時間早めたことも大きい。番組では最後に、人間の代謝を研究している花王ヘルスケア食品研究所の「ヒューマンカロリーメーター」という施設を紹介した。ビジネスホテルの1部屋全体が実験室になっているような施設だ。中に机や椅子、ベッドが置かれ、人間が隔離されたまま何日間も生活できる。地上にある宇宙室と思えばわかりやすい。中にいる人間の呼吸成分から代謝や消費エネルギーを測ることができる。

晩飯の時間を早くするだけで劇的な効果

   晩飯の時間と就寝時間をいろいろ変えた実験では、同じ食事量、同じ人間でも消費エネルギーが変わることがわかった。夜7時に食べて12時に寝る場合と、夜10時に食べて12時に寝る場合を比較すると、体重が52キロの女性の場合、夜7時に食べた方が消費エネルギーは50キロカロリー多かった。これは1キロジョギングした場合のエネルギー消費と同じだ。なんと1年間では約370キロ、東京から岐阜までの距離を走った分に相当する。

蒲池教授「『夜遅く食べ、すぐ寝ると太る』というのは真実です。起きている間に風呂に入ったり、動いたり、知らない間にエネルギーを使っているものです。食べる時間に気をつけるだけで、ダイエットになるのです」
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