2018年 12月 14日 (金)

京大など時差ボケ対策の効果確認 シフト労働者の負担減に応用期待

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   京都大学とお茶の水女子大学の研究グループはこのほど、海外旅行の際の時差ボケ軽減策として出発前日の早起きの効果を確認したと発表した。同グループではこのことを応用して「シフトワーカーのからだに優しい勤務スケジュールの作成」が期待できるとしている。

    ライフスタイルの夜型化や、金融や産業のグローバル化などで夜勤を含むシフト勤務の労働者は増えており、そうした人たちの健康管理が課題とされている。

お茶の水女子大との研究グループが発表

   京大薬学研究科の山口賀章助教、岡村均教授、お茶の水女子大基幹研究院の郡宏准教授らの研究グループは2017年4月28日、数学とコンピューターによるシミュレーションによって時差ボケの原因を解明、薬などを使わずに時差ボケを軽減する方法を提案し、マウスを使った実験でその有用性を確認したと発表した。

   研究成果は4月26日に英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。

   「薬などを使わずに時差ボケを軽減する方法」とは「旅行の1日前にふだんより数時間早起きする」こと。つまり、次の日に経験する時差を短くすることによって「脳内の時計細胞がバラバラになることを防ぐことができる」という。

   「時計細胞」とは、脳内の神経細胞の集まりで、それぞれが約24時間周期で繰り返している遺伝子発現のリズムを繰り返し、細胞の一つひとつにある体内時計をコントロールしている。

   研究グループによると今回の成果は、これまでに提案されてきた時差ボケの軽減方法と比較すると、脳内の時計細胞集団の振る舞いを考慮に入れている点が画期的であり、これを可能にしたのが、数学とコンピューターを用いた予測で、この手法によりシフト労働者の負担を軽減するようなスケジュール作りに応用できる可能性があるとしている。

雇用者の約22%が深夜の業務に従事

   NHK放送文化研究所の「2015年国民生活時間調査」によると、1日の国民全体の睡眠時間は平日7時間15分、土曜日7時間42分、日曜日8時間3分。「1995年以降、平日の睡眠時間は短くなる傾向にあったが、今回はその流れが止まった」という。

   睡眠時間の減少が続いていた大きな理由は、社会の夜型化とみられる。特に大都会では、ニーズに応えてコンビニエンスストアや飲食店などの深夜営業が増え、その業務を担う夜間勤務やシフト制の仕事に従事する人が増えている。産業や金融のグローバル化で24時間稼働しているオフィスも多いという。

   「産業医科大学雑誌」第36巻第4号(2014年12月1日)に掲載された「我が国の深夜交替制勤務労働者数の推計」によると、国内の雇用者のうち深夜の業務に従事する割合は、1997年に13.3%だったが年々増え続け2012年に21.8%に。その数は1200万人と推計されるという。

   同記事は「不規則な勤務を強いられる深夜交替制勤務者は、睡眠障害や胃腸障害などの早期影響に止まらず、肥満、糖尿病、高血圧症、近年では前立腺がんや乳がんなどの悪性腫瘍リスクが上昇すると 報告されている」としており、なんらかの改善策が必要とされている。

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