東京ディズニーリゾートのナゼ 「入場者減」でも株価堅調の理由

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   東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランド株が堅調で、2017年3月期連結決算を発表した4月27日の6450円からほぼ一本調子で上げ、6月13日までの上昇率は18%超。この間、連日のように年初来高値を更新し、株式市場を沸かせた。同じ期間の日経平均株価の上昇率は3.4%にとどまっていることを見ても、投資家の期待が集まっているのは間違いない。

   ただ、4月27日などに発表されたことは、さほど良いことばかりではない。

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「台風による上半期の悪天候などが影響」

   決算内容は、2017年3月期の売上高は前期比2.7%増の4777億円。営業利益は5.4%増の1131億円、純利益は11.4%増の823億円だった。立派な増収増益ではあるが、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)を合わせたTDRの1年間の入場者数は0.6%減の3000万人とわずかに減少した。前年割れは2年連続。オリエンタルランドは台風による上半期の悪天候などが影響したとしている。ただ、関西、関東と立地は違うものの、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は5%増の1460万人となり、3年連続で過去最高を更新しただけに、多少天候が悪くても勢いがあれば入場者が伸びることを証明している。

   それでもオリエンタルランドが2017年3月期に増収増益となったのは、16年4月に入園料を値上げしたことが最大の要因だろう。大人1日券は500円の値上げで7400円となった。ちなみに、ライバルのUSJも17年2月に値上げしており、標準的な大人1日券は7600円とTDRを上回っているので、今年度の入場者数にどう響くか、業界は注目している。

   さらに、オリエンタルランドが発表した2018年3月期の業績予想は減収減益だ。まずTDRの入場者数は1.7%減の2950万人程度と見込んだ。3000万人を割り込むのは5年ぶり。売上高は1.8%減の4693億円、営業利益は11.5%減の1001億円、純利益は14.0%減の708億円とした。TDRを巡っては最近、入園料の高さはともかく「混雑しすぎて疲れる」との不満が渦巻き、入場者減につながっているなどと報道されている。

中期経営計画に注目

   こう見てくると、オリエンタルランドの株価が上がる材料は見つけにくいが、実際の株価が上向きなのはなぜか。投資家が期待しているのは、開業から30年以上たってもなお将来の成長性が見込める点。足元で入場者数などが足踏みするのは織り込み済みということのようだ。

   市場が注目したのは、オリエンタルランドが4月27日に決算と併せて発表した、2021年3月期までの中期経営計画だ。顧客満足度を高める狙いで、アトラクションの待ち時間短縮など混雑緩和などを図る。約2500億円を投資して入場者が分散できるようなアトラクションを新設するほか、屋外の行列が少しでも過ごしやすくなるような「屋根」をつけるなど施設改修にも乗り出す。特にトイレは重視しており、温水便座を導入し、数そのものを増やすという。

   TDLでは、全体の10分の1の面積に相当する約4万7000平方メートルを使って「美女と野獣」をテーマにした新エリアのほか、屋内型の大型シアター、ミニーマウスの新施設などを設ける。2017年1月に閉鎖したゴーカートのような乗り物「グランドサーキット・レースウェイ」の跡地とその周辺を活用して2020年春までに約750億円をかけて建設する計画だ。TDSでもアトラクションを拡充し来場者分散を目指す。過去最大の投資で、「高い満足度を持った来場者数を恒常的に3000万人規模とする」狙いで、多くの投資家が好感している。

   もちろん、工事が進む2020年までゲストをどうもてなすかは難問だ。ゲストが大きな不満を抱えて帰宅すれば口コミなどで広がり、取り返しがつかなくなるかもしれない。人手不足で年々キャストの採用が難しくなっていることも不安材料。この難局をどう乗り越えるか。期待高まるオリエンタルランドにとって、大きな宿題だ。

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