2024年 4月 25日 (木)

前川氏、「出会い系」読売記事は「官邸と連動」 読売新聞は前川発言をスルー

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   学校法人「加計学園」の問題をめぐって2017年7月10日に衆参両院で開かれた閉会中審査で、参考人として出席した前川喜平・前文部科学事務次官がメディア批判も展開した。

   前川氏の「出会い系バー」通いをめぐる読売新聞の報道について、前川氏は「官邸と、この読売新聞の記事とは連動している」などと述べ、メディアと政府の距離感を問題視。複数社がこの発言を伝える中、当の読売新聞は、発言を「スルー」した。

  • 衆院の警戒中審査で答弁する前川喜平・前文部科学事務次官(写真は衆院インターネット中継から)
    衆院の警戒中審査で答弁する前川喜平・前文部科学事務次官(写真は衆院インターネット中継から)
  • 前川氏の「出会い系バー」通いを報じた5月22日の読売新聞の記事
    前川氏の「出会い系バー」通いを報じた5月22日の読売新聞の記事
  • 衆院の警戒中審査で答弁する前川喜平・前文部科学事務次官(写真は衆院インターネット中継から)
  • 前川氏の「出会い系バー」通いを報じた5月22日の読売新聞の記事

「調査」の表現は「確かにあまり適切ではなかった」

   前川氏の発言は、丸山穂高衆院議員(日本維新の会)への答弁の中で出た。丸山氏は、前川氏が出会い系バー通いの目的を「貧困調査」と説明していることについて、

「他の部分、誠実にお答えいただいているのに、この部分があるがゆえに『この方大丈夫かな』と国民の皆さんに不安感を与えてしまっている」

と疑問視し、説明を求めた。対する前川氏は、質問には

「調査という言葉遣いは、確かにあまり適切ではなかったかもしれない」

と短く答えるにとどめた。その上で、6月23日に東京・内幸町の日本記者クラブで行われた会見と同様に、読売新聞の報道について言及した。

「私としては、この個人的な行動が、どうして全国紙で報道されるのか。この件については、私も記者会見などで明らかにしているが、昨年の秋に、すでに杉田(和博)官房副長官からは事実関係について聞かれ、ご注意を受けたという経緯がある。そのことがなぜ、あの5月22日の読売新聞に出たのか。このことを私は問題にすべきだと思う」

朝日、毎日などが「詳報」記事で発言要旨報じる

   前川氏は続けて、「国家権力とメディアの関係」を改めて疑問視した。

「私はこの記事が出た前後で、官邸からの後押しと思われる、そういった動きも感じたし、私は官邸と、この読売新聞の記事とは連動していると、私は主観的には感じ取った。それは私に対する何らかのメッセージだろうと、そのように感じたし、そういったことが、もし私以外の者に行われているとすれば、この国の国家権力とメディアの関係は非常に問題がある。もしそれが横行しているとするならば、これは国民として看過できない問題」

   上記の発言は、7月11日の朝刊段階では、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、共同通信が「詳報」記事中で要旨を紹介。

   これに加えて、朝日新聞と毎日新聞は、それぞれ社会面でも

「『個人攻撃」』に前川氏反論」
 「前川氏、追及に淡々と 『印象操作』かわす」

の見出しで発言を伝えた。

産経は答弁の歯切れの悪さ強調

   産経新聞は「文科省の先輩・後輩真っ向対立」の見出しで、総合面で発言を報じた、ただ、その内容は読売新聞と政権との距離感に関するものではなく、

「東京・歌舞伎町の『出会い系バー』への出入りに関する『女性の貧困についての視察調査』との釈明に関して問われると前川氏は『「調査」という言葉は適切でなかったかもしれない』と苦しい説明を強いられた」

と、前川氏の答弁の歯切れの悪さを指摘するものだった。

   読売新聞と日本経済新聞は、「出会い系バー」をめぐるやり取り自体を報じなかった。読売の「詳報」ページでは丸山議員の質問は紹介されておらず、日経は「詳報」ページ自体を設けなかった。

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