2024年 4月 19日 (金)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち 米軍からトランスジェンダーを排除する理由

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    同じ日に知人に立て続けに会うと、どちらとも開口一番、その朝、トランプ大統領がつぶやいたツイートについて話し始めた。

   二人ともリベラルなニューヨークに住んでいるものの、政治的スタンスや思想は、正反対だ。

  • NYマンハッタンのゲイコミュニティとして知られる一角に掲げられたLGBTを象徴するレインボーフラッグ
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選挙中は「LGBTのために戦う」

   トランプ大統領は2017年7月26日、3回にまたがるツイートで、「将官や軍事専門家と相談した結果、トランスジェンダーの人たちが、いかなる形でも米軍の職に就くことを認めない」とつぶやいた。

   トランスジェンダーは、生まれた時の体と心の性が一致しない人たちだ。

   大統領はその理由について、「米軍は圧倒的な勝利を収めることに集中すべきだ。トランスジェンダーの人たちがもたらす膨大な医療費や混乱が、負担になってはならない」と強調している。

   オバマ前政権は16年、「世界で最も優れた戦闘部隊を維持するには、役立つすべての人材が必要である」とし、トランスジェンダーの米軍への入隊を禁じる規則を撤廃すると表明したばかりだった。

   シンクタンク「ランド研究所」によると、米軍で常時任務にある約130万人のうち、トランスジェンダーは1,320人から6,630人という。

   知人のジョン(60代男性)はゲイ(同性愛者)で、長年連れ添ったパートナーとともに養子の息子を育て上げた。

   トランプ大統領を「まぬけ(moron)」で「うそつき(liar)」だと酷評してきたジョンは、投げやりになっている感じだ。

「今回のツイートが本気なのかどうか。トランプの言うことはコロコロ変わるから、もうまったくわからないよ。僕たちのようなLGBT(性的マイノリティー)のために闘うと、選挙運動中は言っていたじゃないか」

   このあと、たまたま訪ねた別の知人(60代男性)は、保守的なキリスト教徒で、トランプ支持者。息子は元海兵隊員だ。

   「今もトランプ氏が、ツイートで個人や団体を攻撃し続けていることに、だんだんうんざりしてきた」と話しながらも、「今朝のツイートには僕も賛成だ」と言い切る。

「軍隊は戦いの場で、社交の場ではない。リベラルのプロパガンダに洗脳される必要はないだろ? 男性の体を持つ女性兵士と一緒にシャワーを浴びるのは、大多数の女性兵士に気の毒じゃないか。しかも、性別適合(性転換)手術やホルモン投与の費用を、僕の税金で払ってほしくはない。
国のために戦う権利を、誰にでも平等に与えるべきだ、と擁護派は言うけれど、体格や体力の厳しい検査に合格しなければ入隊はできない。だから、もともと平等じゃないんだよ。それより米軍には、北朝鮮のような差し迫った懸案事項があるんだ。僕が日本人に住んでいたら、北朝鮮の脅しが恐ろしくてたまらないだろう」
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