貴重車両が「盗り鉄」被害! 鉄道テーマパークが悲痛呼びかけ...「部品を戻して」

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   鉄道のテーマパーク「碓氷峠鉄道文化むら」(群馬県安中市)に展示されている、歴史的に貴重な車両の部品が盗難被害に遭っていた。車両には「部品を戻して下さい」と呼びかける貼り紙が掲示されており、これをツイッターユーザーが撮影・公開したところ拡散された。

   碓氷峠鉄道文化むらはJ-CASTニュースの取材に、「盗難に遭ったのはマスコン(マスター・コントローラー)のハンドルです」と明かす。さらに、同園では過去にも盗難被害があったとして「ドアを溶接機で外されたこともありました」と話す。

  • 碓氷峠鉄道文化むらの「EF 70 1001」に掲示された貼り紙(写真提供:坪庭製作所(@tuboniwa_kosyo)さん)
    碓氷峠鉄道文化むらの「EF 70 1001」に掲示された貼り紙(写真提供:坪庭製作所(@tuboniwa_kosyo)さん)
  • 碓氷峠鉄道文化むらに展示されている車両「EF 70 1001」(写真提供:碓氷峠鉄道文化むら)
    碓氷峠鉄道文化むらに展示されている車両「EF 70 1001」(写真提供:碓氷峠鉄道文化むら)

「このEF 70 1001は、部品盗難に遭ったために閉鎖します」

   ツイッターユーザーの「坪庭製作所(@tuboniwa_kosyo)」さんが2017年8月26日に投稿した写真には、

「このEF 70 1001は、部品盗難に遭ったために閉鎖します。以前のように、開放できるよう部品を戻して下さい。 碓氷峠鉄道文化むら 館長」

と書かれた貼り紙が写されていた。坪庭製作所さんは「よく撮り鉄に注目が集まるけどこっちも相当やばいかと」と不穏さを感じている。ツイートは9月5日までに1000回以上リツイートされたほか、「盗り鉄ってか」「盗り鉄ですか。色々闇が深いですね」「昔からいた。SLのプレート盗むのとか」といったリプライも複数寄せられる。

   碓氷峠鉄道文化むらは、日本海側と太平洋側をつなぐ交通の要衝として1893~1997年に存在した「旧碓氷線」の歴史を伝えるテーマパークで、1999年に開園。鉄道資料館のほか、現在廃車となった当時の貴重な車両が屋外展示されている。

   特徴は「体験型」のテーマパークである点だ。「EF63形」という車両は、園内に敷設された約400メートルの線路を使って実際に運転体験ができ、他にも展示された多くの車両は内部に入れるよう開放されており、大きな魅力となっている。

   「EF 70 1001」も中に入れる車両のひとつだったが、盗難が起きて一変した。J-CASTニュースが9月6日、碓氷峠鉄道文化むらの従業員に上記の貼り紙について取材したところ、「盗難に遭ったのはEF 10のマスコンのハンドルです。自動車のアクセルにあたるパーツですね」と明かす。運転席に座れば正面に見え、「モンキースパナなど工具があれば、取り外し自体は簡単にできます」という。

「よく人の目をすり抜けてやったなあと」

   同園ウェブサイトによると「EF 70 1001」は1964年製造、1986年廃車、現在は同園でしか保存されていない。取材に応じた従業員によると、マスコンがなくなったことに気付いたのは「今から2年ほど前」といい、警察に盗難届を出し、今回ツイッターで拡散されている貼り紙を車両の窓に掲示した。現在も、外から車両を見ることはできるが、中に入ることはできなくなっている。

「鉄道部品はネットオークションでやり取りされる場合もあるので、どこかに出品されていないかチェックもしていますが、現在まで有力な情報は見つかっていません」

   来園客には親子連れも多く、「本来は多くの方々に車内に乗ってもらいたいころ、閉鎖の措置を取らざるを得ず、申し訳ない気持ちです」とし、従業員の間では「なぜこんなものを持って行くのかという疑問と、他のお客様もいるのによく人の目をすり抜けてやったなあ、という呆れに近い思いもありましたね」と当時の心境を明かす。

   同園では過去にも展示車両のまさかの部品が盗難に遭っていた。

「以前なくなったのは、ある車両の前方と後方のドアです。溶接機で丸ごととられた跡が残っていました」

   ただ、こちらは人物が特定され、ドアも無事戻ってきたという。

   こうした「事件」にもかかわらず、今なお運転体験や車内見学の取り組みは続いている。取材した従業員に聞くと、「当園は『見て触れて体験できる』をコンセプトにしています。青天井の下で生きた車両に触れて楽しんでいただくということを大事にしておりますので、部品がなくなった車両以外は今後も車内見学や運転体験は継続していきますよ」と話していた。

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