2024年 5月 8日 (水)

アーメダバードとは何なのか 日印高速鉄道に注がれる中国の視線

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モディ首相の出身地

   実際に、インドのネット掲示板(BBS)で、インドのネットユーザーが高速鉄道にふさわしいとして選ぶ路線は「バンガロール―チェンナイ(旧名マドラス)」、「デリー―アーグラ」、「デリー―チャンディーガル」などであり、アーメダバードという都市を挙げる人はほとんどいない。

   アーメダバードはインド西北部の鉄道の中心で、綿花と紡織業で知られ、人口の半分は紡績業で生活し、その他には製靴業と伝統的な手工業があるくらいだ。

   総延長500キロ、設計時速320キロ、総工費170億ドルの贅沢な工事が、まさかこれくらいの経済規模の都市にサービスするために行われるわけはなんだろうか。ムンバイはインドの金融センターだが、ムンバイの銀行家とアーメダバードの紡績労働者が頻繁に行き来することがあり得るだろうか。

   実は、アーメダバードはモディ首相の故郷である。モディ首相が腐敗していると言うわけではなく、モディ首相にはこの高速鉄道によって、将来、故郷の有権者の支持を獲得したいという狙いがあるのだ。要するに、インドのように各種の利益集団が高度に多元化した民主主義国であるということで、これが中国と全く異なる点だ。

   モディ首相には野心がある。これは称賛に値するものであるが、高速鉄道建設には、一つの問題を避けて通ることはできない。それはつまり、将来的に十分な乗客数を確保できるかどうかという問題だ。

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