希望の党が「内部留保に課税」 共産党みたい?小池代表は「米国などで実施例」

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   東京都の小池百合子知事が率いる「希望の党」が2017年10月6日、衆院選(10日公示、22日投開票)に向けた公約を発表した。柱は「消費税増税凍結」「原発ゼロ」「憲法改正」の3つ。経済政策は「アベノミクス」では不十分だとして「ユリノミクス」と銘打った。

   とりわけ消費税をめぐる公約は民進党から合流した人にとっては大転換だ。ここで問題になるのが財源だが、「逃げるつもりはない」(後藤祐一・前衆院議員)として挙げたのが企業の利益剰余金、いわゆる「内部留保」だ。内部留保への課税は共産党の長年の持論。共産党は「希望」を「自民党の補完勢力」だと批判しているが、意外なところで足並みがそろった。

  • 希望の党は「消費増税凍結」財源に企業の「内部留保課税」を打ち出した
    希望の党は「消費増税凍結」財源に企業の「内部留保課税」を打ち出した

企業の「海外流出」論には反論

   公約発表の記者会見で、小池氏は

「2025年には団塊の世代の皆様が、いよいよ後期高齢者の仲間入りをしていく。そういう中において、これまでの社会保障の枠組みだけで良いのかどうか、ここはいったん消費税の問題については立ち止まって社会保障全体のあり方を見直す」

などと発言。その上で公約作成を担当した後藤氏は、財源の議論から「われわれは逃げるつもりはありません」として、

「資本金1億円以上の企業の内部留保というものが300兆円ぐらいある。これに対して課税することで代わりの財源にしていく、こういったことも提案している」

と発言した。

   各国は企業の誘致や海外移転の防止を目的に法人税の引き下げを進めており、日本でも第2次安倍政権が発足した12年度に37%だった法人税率は16年度には29.97%に下げ、18年度までに29.74%にまで引き下げられることになっている。こういった中での「内部留保」への課税は企業の海外流出を招く可能性もあるが、小池氏は(1)米国や韓国、台湾などで実施例がある(2)日本でも同族会社に対しては通常の法人税に加えて内部留保に課税されている、などと反論した。

課税時期、規模感不明の「腰だめ」構想

   その上で次のように述べ、課税の制度を作ることで企業が持っている資金が有効に活用されるようになるとした。

「内部留保課税が実施された後に、課税を避けるために、それを取り崩し、設備投資に回すとか、企業内保育園をつくるとか、そういったことにより有効に活用されるというのは、まさしく内部留保課税の効果というものであって、これらが実際に設備投資に回る、株の配当に回るということは、これまで貯めに貯められたお金が、流動的に動くきっかけになると考えている。それをキャピタルゲイン課税と呼ぶのか、税制によるインセンティブをつけるのかは、工夫のしどころではないか」

   だが、この課税構想は「腰だめ」の段階だ。後藤氏は課税開始のタイミングについて

「今の段階で決めているわけではないが、財政との関係は当然考えながら、検討を急いでやらないといけない」

と説明し、小池氏は同日午後の会見で、規模感について

「2%となると6兆円出てくる。そこはやり方。教育費に1%分あてる云々などあるが、具体的にはそういう数値も考え方としてひとつあると思う」

と述べた。

   菅義偉官房長官は同日午前の会見で、

「内部留保が今100兆円を超えている。この内部留保ができるようになったのは、まさにアベノミクスによって経済を好転させたからできるようになったのではないか。経済政策をしっかりと行っていく中でまさに経済を安全に成長軌道に乗せることがきわめて大事」

と述べ、内部留保課税の是非については言及しなかった。安倍政権は15年の「官民対話」で内部留保を設備投資に回すように要請し、企業の経営判断に政府が介入したとして財界が猛反発した経緯がある。

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