2024年 4月 29日 (月)

「口臭いよ」の一言で狂った人生 満員電車乗れず、呼吸もできない「自臭症」

強い臭いがないのに気にしている人が多い

   高校を卒業し一人暮らしを始めたAさんは介護の仕事に就いた。毎日マスクをしていても違和感がないのが決め手で、高齢者ばかりの職場で気も楽だった。

   同僚男性と交際するようになったが、ヘビースモーカーの彼からはいつもタバコの臭いがして、自分の臭いがまぎれていると思えて楽だった。しかし交際1年で破局し、また「私が臭いからだ...」と落ち込んだ。

   ついに口臭専門の病院に相談に行ったが、医師からは「口の臭いは特に気になりませんが...」と言われた。それも信じられず、「誰も助けてくれない」と絶望した。

   何か情報はないかとインターネットにすがる日々の中、自分の臭いに苦しむ人たちが集まるサイトを発見した。今は、そこで出会った臭いに悩む仲間と定期的に集まっている。

   番組は、Aさんを含む20~40代の男女8人の集会に同行した。口臭のほか、体臭を気にする人もいて、ある男性は衣類を何度も洗濯し、1日に何回も着替えをするという。

   集まると、二人一組で座り、相手の臭いをかぐ。席替えしながら全員と臭いを確認し、匿名で書かれた感想を受け取る。ほとんどの人が「強い臭いはない」と書かれていて、体臭恐怖は必要以上に気にしているケースが多いのだ。

五味クリニックの五味常明氏「『臭いはありますよ』と認めてあげるのも大切。他人に迷惑がかかる臭いではないですよと言ってあげる。無臭人間がいるわけないですから。本当に臭いが強い人は悩んでいない場合が多い。さほどでもない人の方が気にしている」
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