2018年 11月 15日 (木)

45歳以上「超高齢出産」の実態を初調査 合併症リスクは高く注意深い管理が必要

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   35歳以上の「高齢出産」では母体や胎児に様々なリスクが高まるが、45歳以上の「超高齢出産」ではどうだろうか。40歳代の出産も珍しくない現在、国立成育医療研究センターが2017年11月11日、初の「超高齢妊婦」の実情調査を発表した。

   30代に比べ、「妊娠合併症」のリスクは約2倍高まるが、死産・胎児死亡のリスクに差はなかった。研究チームは「特に45歳を境にリスクが顕著になるので、主治医と相談して注意深く管理することが必要」と呼びかけている。

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ジャガー横田、野田聖子、坂上みきさんらが出産

   45歳以上の著名人の高齢出産というと、タレント・プロレスラーのジャガー横田さんが45歳で第1子の男児を、作家・シャンソン歌手の戸川昌子さんが46歳で第1子の男児を、女優加藤貴子さんが46歳で第2子の男児を、政治家野田聖子さんが50歳で第1子の男児を、タレントの坂上みきさんが53歳で第1子の男児を出産している。

   国立成育医療研究センターの発表資料によると、近年、妊婦全体に占める40代の割合が増加しており、40~44歳での出産が5.2%、45歳以上での出産が0.1%を占めている(2015年・厚生労働省調べ)。しかし、45歳以上の「超高齢妊婦」の実態については、これまで報告例がほとんどなかった。

   そこで、日本産科婦人科学会の周産期データベースに登録された30歳以上の36万5417人のデータを対象に研究を行なった。内訳は、30~34歳が20万4181人、35~39歳が13万1515人、40~44歳が2万8797人、45歳以上が924人だった。ただし、明らかな「胎児形態異常」と「多胎症例」(双子や三つ子)のケースは対象から除外した。

   その結果、母体年齢が高くなるほど、妊娠合併症のリスクは高くなった。具体的には次の通りだ。

   (1)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、「妊娠高血圧腎症」(旧:妊娠中毒症)になるリスクが1.90倍高い。妊娠高血圧腎症とは、タンパク尿を伴う血圧の上昇により、突然けいれんを起こすことがあり、緊急帝王切開を行なう場合もある。

   (2)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、「前置胎盤」になるリスクが2.19倍高い。胎盤は、母体と胎児をつなぐ血液・酸素・栄養のとても豊富な組織。前置胎盤は、その胎盤が胎児よりも子宮の出口付近に位置するため、ほぼ100%帝王切開になる危険性の高い妊娠だ。

   (3)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、「帝王切開」になるリスクが1.71倍高い。

   (4)早産・未熟児出生のリスクは母体の年齢が高いほど上昇するが、45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、それぞれ1.22倍、1.18倍と、それほど高くなかった。また、死産や胎児死亡のリスクは、母体の年齢が高くなっても影響はなかった。つまり、生まれてくる赤ちゃんの予後(健康度)に関しては、高齢出産による影響は小さい。

   (5)高齢出産のリスクは、妊娠方法や妊娠経験によって異なる。たとえば、帝王切開のリスクは初産だと、年齢が高くなるほど上昇するが、経産婦では変化はみられなかった。

「45歳以上の妊婦は、危険に留意して母体を管理して」

   こうした結果から、研究チームの森崎菜穂・社会医学研究部室長らは、発表資料の中でこうアドバイスしている。

「高齢出産、特に45歳以上の妊娠では母体合併症のリスクが高くなり、帝王出産が増加することがわかりました。また、妊娠経験の有無によって影響が異なることも同時に明らかになりました。一方、子どもの健康に関しては、未熟児出生などのリスクは高くなりますが、その影響は小さく、死産・胎児死亡のリスクも認められませんでした。45歳以上の妊婦は、合併症のリスクが高まることに十分留意して母体を管理することが大切です。また、この研究では胎児の形態異常を除いていますから、解釈には注意が必要です。よく主治医と相談してください」
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