2024年 4月 26日 (金)

原発再稼働めぐり「推奨」VS「論外」 温暖化対策会議と新聞論調

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高効率の石炭火力発電技術を輸出

   COP23開幕当日に発表された「日米戦略エネルギー・パートナーシップ(JUSEP)」では、原子力や石炭火力の推進を謳い、同じ日の日米首脳会談で、米国と協力して東南アジアやアフリカに高効率の石炭火力発電技術を輸出する方針で一致したのは象徴的な動きだった。こうした状況を踏まえ、東京が「石炭火力はたとえ高効率のものであっても、天然ガスの二倍の二酸化炭素(CO2)が出てしまう」と指摘し、毎日は「脱石炭に向かう世界の潮流を読み違えれば、国際協調に反すると見なされかねない。途上国支援すら、評価されなくなる事態が生じる恐れもあるのではないか」、朝日は「国際社会からは、米政権ほどではないが、ガスの排出削減に消極的な国だとみられている。長期の削減戦略をいまだに示していないうえ、途上国への石炭火力発電の輸出を続けようとしているからだ。......米政権の動きを追うばかりでは孤立しかねない」と、そろって危惧の念を表明。日経も「日本は原発の再稼働が限られ、電力を石炭火力で補わざるを得ない事情はある。長い目で脱石炭を進めるにはどんな方法があるかも検討すべきだ」と、慎重な対応の必要を指摘している。

   各紙の論調が大きく分かれるのが、やはり原発の扱いだ。原発肯定の3紙では、日経が「新たな目標の検討に必要な温暖化対策の長期戦略は定まっていない。火力、原子力、太陽光などの最適な電源構成(ベストミックス)を将来的にどうするか早期に詰めなければならない」と、原発を含む議論を求めるが、書きぶりは比較的おとなしめ。読売は「福島第一原発事故以来、ほとんどの原発が停止し、化石燃料の発電に大きく頼っている。目標達成のためには、安全性が確認された原発を順次、稼働させることが欠かせない」とさらりと指摘。これに対して産経は「発電で二酸化炭素を排出しない原子力発電の安全利用が不可欠なのに、政府の対応は極めて緩慢であり、消極的にさえ見える。......日本の現況では、原子力の活用による実効性に裏打ちされた削減策の構築が急務である」と、政府に発破をかけているのが目立つ。

   対する脱原発3紙で、石炭火力中心に論じる朝日と毎日は、脱原発はいわば自明の前提ということか、直接言及していないが、東京は「温暖化対策の面から見れば、石炭火力も原子力も、すでに『終わったエネルギー』なのである」と、切って捨てている。

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