2024年 4月 28日 (日)

パッキャオに1Rで54発TKO負けした寺尾新が告白 「千手観音に見えた」「一撃一撃が鉄パイプ」

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「もう顔も見たくない」

   パッキャオは猛ラッシュ。寺尾は「千手観音に見えた」とし、「あっちこっちから、あらゆるところからパンチが来て避けようがない。一撃一撃が鉄パイプ(で殴られた)みたい」だったと語る。「途中からやりたくなくなった」と戦意喪失しかけながら、「弱気な自分と強気な自分」の間で耐えていたが、1R2分59秒でTKO負けした。計54発のパンチを浴びていた。

「いつもなら負けたらリベンジしてやろうと思っていたんですが、パッキャオに負けた時はもう顔も見たくないと思いました」

   生活のすべてをボクシングに費やしてトレーニングに励んできた寺尾は、

「負けた次の日、本当はお酒はいけないんですけど、ウイスキー飲んで吐いてましたね。あれだけやったのにこんなに歯が立たないのかと」

と打ちのめされた。パッキャオはこの7か月後に世界王座を取るが、「自分からは見たくもなかったですね。(パッキャオが載った)雑誌のページも飛ばしていたし」とトラウマのような状態。寺尾はパッキャオ戦後、2試合を戦って引退した。

   しかし、パッキャオがスターダムに上っていくと「パッキャオに54発もらった男」という「肩書き」に目を付けたプロモーターから格闘技のオファーが殺到。キックボクシングやプロレスでタイトルを取るまでに上り詰めた。

   現在は格闘技フィットネスジム「PREBO」(神奈川県相模原市)で会長を務めている。今でもパッキャオのファンがジムを訪れてくれるといい、寺尾は「過去の栄光で飯は食える」という「格言」を残していた。

   敗れはしたものの寺尾のどこか清々しい語り口に、インターネット掲示板では「正直で好感持てるな」「寺尾さん正直で面白い こりゃ天然でモテるな」「まあやる気なくなるわな 本物と明らかな差見せ付けられたら」といった声が続々と出ていた。

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