2024年 4月 27日 (土)

「米朝開戦」の可能性はどの程度か 拓殖大・武貞秀士さんに聞く【どうなる2018年<2>】

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北半分が安全になるだけでは核はあきらめない

   ――そう考えると、国際社会が外交的に北にミサイルをあきらめさせたり取り上げたり、ということは全く無理なのでしょうか。

武貞 いまだから外交的努力が必要です。米朝の直接的な話し合いです。ドイツ、スイス、ロシアから仲介を申し出る声があったのに加えて、フェルトマン氏も、そういった期待を込めて平壌に行った。こういった努力はあるが、北はまったく答えていないのが現状です。核開発問題の解決に向けて中国がイニシアティブをとりたいとして始めたのが6か国協議ですが、それも膠着状態です。かつては「レジーム(体制)を変更しないことを国際社会が保証すれば核を放棄する」との見方はありましたが、これは誤りです。彼らは北半分だけでなく、南北が統一して初めて自分たちが安全になると思っているからです。北半分の安全を保障したとしても、リビアのように核を放棄することは絶対にありません。

   ――では、何らかの形で統一しないと北朝鮮は核を絶対に手放さない、ということでしょうか。

武貞  統一のための歩みを南と北が始めたら、核兵器は使い道がなくなる。それが簡単にできないから分断状態が1948年から続いてきたわけですが、そこで南北が話し合って統一のためのロードマップを示してもらうしかない。日米が外野席から「こうすべき」と言うような問題ではありません。2000年6月15日に金大中大統領と金正日総書記が会談して発表した南北共同宣言では
「南と北は国の統一問題を、その主人である我が民族同士で互いに力を合わせ、自主的に解決していく」
とうたっています。双方が「連合制」や「連邦制」を主張して主導権争いをしている状態が続いています。それはやめにして当事者が未来指向で統一のありかたを議論してほしい。ドイツが東ドイツ出身のメルケル氏をリーダーに選んだように、ドイツ人の知恵に学んでほしい。例えば5年間は南出身者が大統領で次の5年間は北出身者が大統領を務めるなど、方法は色々あると思います。南と北が融和すれば統一のための核兵器は使い道がなくなる。時間はかかりますが、周辺国はその和解のプロセスのお手伝いに徹することが大事です。
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