2024年 4月 26日 (金)

首都を見つめ60年 東京タワー「還暦」でどう生まれ変わる 日本電波塔の澤田健さんに聞く【どうなる2018年<3>】

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「外国人観光客に人気のスポットランキング」2年連続1位

――この60年、様々な変化があったと思いますが。

澤田「最近よく勘違いされるのが、電波塔の役目が終わってしまっている、と思われていることですね。2012年にスカイツリーができて地デジのメイン基地局は移りましたが、仮にスカイツリーから放送ができなくなる事態が発生したとしても、東京タワーから送信できるバックアップ体制を組んでいます。もちろんFM放送やマルチメディア放送等も、送信しています。電波塔という大きなインフラが2つ存在するのは、大都市東京の強みと言えるのではないでしょうか」

   電波塔として現役で働いてはいるものの、現在は観光施設としての収入のほうが、比重が大きいという。年間約230~240万人が来塔するなか、訪日旅行客(インバウンド)の増加もあり、外国人客が約3割を占める。ナビタイムジャパンが12月13日発表した「外国人観光客に人気のスポットランキング」によると、東京タワーは2年連続の1位となっている。

――海外の人たちからの高い人気がうかがえます。

澤田「東京タワーが登場するアニメやドラマの影響もあるでしょうね。おそらく2020年に向けてさらに増えていくでしょうし、海外からのお客様をしっかりとお迎えできるおもてなし体制を作って、期待に応えられるようにしていきたいです。ただ、外国の方はFIT(Foreign Independent Tour。個人旅行のこと)が増えていて、複数回日本へお越しの方は、必ずしも東京に来なくなっていて。これからは『All TOKYO』で力を合わせて、東京の楽しさ・魅力をPRしていく事も大事だと思います」

――東京タワーが見守ってきた東京の移り変わり、といった点ではどうですか。

澤田「東京タワーは変わらずに60年、芝公園から東京を見つめてきました。一方で、周辺は見違えるように変わって。極端な話、60年前は東京タワー以外に高い建物なんてないんですよね。1968年に霞が関ビルが建って、1970年に浜松町に世界貿易センタービルが建って...本当にそれぐらいだったのが、今は頻繁に高層ビルが建設されていますから。
そうした環境の中で、いつも変わらずにこの場所にあるという安心感があるようです。4本脚がしっかりと地に着いている形とか、温かみのあるライトアップなども理由かもしれません。お客さまからも、『見ると安心する』『ホッとする』と仰っていただいて。東京タワーを見つめてくれている人たちが、本当に沢山いらっしゃるんだなと実感します。東京の景色はどんどん変わっていくけれど、東京タワーを観ていただいている皆さんの気持ちは変わらないのかなと思います」

――皆さんそれぞれ、たくさんの思い出が詰まっていると思います。

澤田「皆さんの思い出と共に歩んできた建造物ってそう多くないと思うんですよね。この60年、良い思い出も悪い思い出も含めて、皆さんのたくさんの思い出が詰まっていて。色々な世代の方や国の方に、60年間愛していただいて。そうした想いを大事にしていきたいです」

   多くの人の思い出が詰まった場所という意味で、2017年にはこんな出来事もあった。東京タワーは、SMAP「がんばりましょう」の歌詞に登場する、ファンにとって「聖地」的な存在。香取慎吾さんがMCを務めたバラエティ番組「SmaSTATION!!」(テレビ朝日系)最終回の9月23日、番組カラーの青と黄色にライトアップしたところ、翌日からファンからの感謝のメッセージや「お礼参り」が相次いだ。歌詞にも登場する「努力と根性」の土産物は一時売り切れになった。

――ライトアップはご好意で行われたそうですね。

澤田「16年間毎週生放送で、東京タワーを背負って始めてくれた番組関係者の皆様に対する気持ちです。香取さんも東京タワーを好きだと言ってくれて。本当にありがたかったです」
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