2024年 4月 26日 (金)

朝青龍訴えた「ファンがあっての相撲」 揺れる角界に届くか

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「若いお相撲さんとか親方衆とかみんな、ファンがいますんで。とにかく、相撲の発展につながるような動きをしてほしいです。たくさんのたくさんのファンがあっての相撲なんで。今年こそ前に進むしかないんで、精一杯頑張ってほしいです。ファンが喜ぶ相撲をドンドン取ってほしいですね」

   8番勝負を終えた元横綱・朝青龍、ドルゴルスレン・ダグワドルジ氏は、「現在の相撲界に一言」を求められ、こう熱弁した。2017年12月31日、AbemaTVで放映された「朝青龍を押し出したら1000万円」のクライマックスである。

  • 朝青龍公式ブログより
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8人の挑戦者に完全勝利

   「張り手なし」「立会時の変化なし」「カチアゲなし」といった独自のルールで、朝青龍に勝てれば1000万円。ひと癖もふた癖もある一般挑戦者に加え、有名格闘家などもVIPとして参戦。7年のブランク、8戦連続というハンディキャップ。番組による事前街頭アンケートで、「全勝」を予想した人はわずかに7.5%に過ぎなかったのも、当然といえば当然の厳しい条件だ。

   しかし、「朝青龍」は強かった。

   第1戦は、元フランス外国人部隊の経歴を持ち、入れ墨だらけの鋼のような筋肉を持つ久保昌弘さんだ。殺気をほとばしらせて挑みかかった久保さんだが、朝青龍は文字通り子ども扱い、一瞬にして背中から土俵に叩きつけていた。

   第2戦、京大卒の「インテリファイター」徳原靖也さんも、頭脳戦に持ち込む余地すら作れず。アテネ五輪柔道銀メダリスト・泉浩さんも、必殺の足技を仕掛けるが、朝青龍はびくともしない。ブラジリアン柔術世界一の経歴を持つ身長2メートル超の巨漢、リダ・ハイサム・アイザックさんはその長いリーチで押し出しを図るが、即座に懐に入られる。アイザックさんの指が左目に入りかかったためか、土俵から叩き出す際の朝青龍の表情は、現役時代さながらの鬼気迫るものだった。

   第5戦の覆面レスラー、スーパー・ササダンゴ・マシンは、事前に朝青龍対策を「プレゼン」するという異色の登場で、本人を苦笑させるものの、取り組みでは長期戦に持ち込むなど健闘を見せた。とはいえ、朝青龍は余裕たっぷり、マスクを取り上げての勝利を収める。続くアメフト日本代表・清家拓也さんは、本職仕込みの強烈なタックルを見せるが、あっさりいなされ、後は手も足も出ず。ご存じボブ・サップさんも自信たっぷりに組みつくが、まわしを取られてあっさり転がされた。

琴光喜との決戦に感動の声

   最終戦は、朝青龍と同じく不本意な形で引退を余儀なくされた元大関・琴光喜さんだ。朝青龍も、これまでの稽古用まわしを黒の締め込みに替え、本気モードで登場する。2人の取り組みは熱戦の末、横綱の意地を見せた朝青龍が完勝、見事8連勝を飾った。

   番組の間、朝青龍が繰り返したのが「ファン」という言葉だった。「ファンがいるから」「ファンあって」――この企画では、時に茶目っ気も見せつつ、「強い朝青龍」を見せることで、ファンの期待に応える相撲、を自ら体現した格好だ。

   ツイッターなどでも、その姿には感動の声が多く集まった。

「朝青龍と琴光喜の最後の願い、とてつもなく感動!! 多くの人に見て欲しい!! 『相撲ファン』というフレーズが何度も何度も出てくるんだよ 日馬富士も同じ気持ちだと思います。大相撲関係者の皆様、これこそがファンの願いです」
「元旦から胸が熱い。今日で引退できたと琴光喜が言った。今日の土俵に魂を置いてドルジに戻ると朝青龍が言った。相撲をこんなに愛しながら土俵から去った人達がいる事を想い、土俵の外での争いはもうやめて欲しい」
「abemaの朝青龍8番勝負面白かった~ やっぱ横綱強いし、琴光喜との最後の勝負は泣けたね! 相撲は相撲協会だけのもんじゃないわ」

   朝青龍はこれを最後に、相撲から完全に身を引くという。番組終了後、ツイッターではこうあいさつした。

「これで相撲心ど別れです! 長い間もう一度相撲とりたいと気持ちがありまして!! 横綱朝青龍明徳と本名ドルゴルスレン:ダクワドルジ別れです! 日本担当特使として今後にモンゴル国 日本国架け橋しながら動力してまいります」
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