「もってのほか」のペット注意事項 猫から感染症で国内初の死者

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   福岡県の60代女性が、ネコから感染したとみられる菌により呼吸困難となり、その後死亡した。「コリネバクテリウム・ウルセランス」という菌によって引き起こされた。

   厚生労働省の発表を見ると、日本国内でこの菌が原因で死亡したのはこれが初めて。身近な動物が「感染源」となると、少々心配だ。

  • 過度に恐れるのも、接触するのも避けた方がよい
    過度に恐れるのも、接触するのも避けた方がよい

初期は風邪のような症状、重症化して呼吸困難

   厚労省が2018年1月10日に更新した「コリネバクテリウム・ウルセランスに関するQ&A」のウェブページに、国内での発生状況が一覧で示されている。01年2月以降19例があるが、死亡したのは先述の女性だけで、16年5月だ。「呼吸困難。救急搬送されて3日目に死亡。偽膜と血液から菌検出」とあり、屋外でネコ3匹にエサを与えていたことが分かっている。

   コリネバクテリウム・ウルセランス菌による感染症は、人間やさまざまな動物で事例が確認されている。国内における人への感染例の多くは、イヌやネコからだ。呼吸器に感染すると、初めは風邪に似た症状を示し、その後はのどの痛みや咳などを伴い、重症化して呼吸困難、さらには死に至るケースもあると厚労省では説明している。治療としては抗菌薬が有効とされる。

   動物が感染した際も、くしゃみや鼻水といった風邪のような症状が現れる。ペットのイヌやネコにこうした様子が見られたら、早めに獣医師の診断を受けるのはもちろんだが、飼い主としても注意を要する。接触の仕方によっては、菌がうつる恐れがあるからだ。手袋やマスクの使用、触った後の手洗いを忘れないようにしたい。

   逆に「かわいそうだから」と、過度に看病するのは禁物だ。感染した動物との濃厚接触は、感染のリスクを高める。

   宮城県のウェブサイトでは、「ペットから感染する病気(動物由来感染症)」の注意事項として、口移しでエサを与えたり、スプーンや食器を共用したりするのは「もってのほか」としている。一緒の布団で寝ることも避けた方が無難だと促している。

マダニにかまれて感染するウイルスが人間に...

   コリネバクテリウム・ウルセランス菌が原因で亡くなった女性が、どの程度ネコに触れていたかは分からない。ただネコとの接触が原因とみられる感染症報告は、ほかにもある。

   2017年7月24日の厚労省発表では、16年夏に重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症し10日後に死亡した50代の女性が、体調不良の野良ネコにかまれたことで感染した可能性があるとのことだった。

   SFTSはウイルス性の病気で、マダニにかまれることで感染する。イヌやネコなど動物の血液からSFTSウイルスが検出されており、こうした動物の血液などに直接触れると、人間がSFTSウイルスに感染する可能性を否定できないと、厚労省ではウェブサイトで説明している。一方で同省では、「健康なネコなどからヒトがSFTSウイルスに感染することはないと考えられます」としている。

   過剰にネコを恐れる必要は、もちろんない。それでも、むやみに弱っている野良ネコに近づいたりするのは避けた方がよさそうだ。

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