2018年 11月 20日 (火)

JTが「加熱式」で大勝負 「シェア4割」宣言の本気度

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糖の吸収を抑えるサラシノール配合。トライアルが500円+税で

   紙巻きたばこの需要減少に苦しむ日本たばこ産業(JT)が、「加熱式」で大勝負に出る。今後3年間で1000億円以上を投資して新製品を投入、2020年末までに「シェアナンバーワンの4割をとる」と宣言したのだ。受動喫煙防止やたばこ増税などの議論次第で、逆風は一段と強まる。他社の顧客をがむしゃらに奪っていかないと生き残れない、という強い危機感がにじむ。

   寺畠正道社長は2018年2月6日に開いた17年12月期の決算発表記者会見で「高温加熱タイプに参入して、競合からシェアを奪取する」と力を込めた。加熱式といってもさまざまなタイプがあり、JTが展開する「プルーム・テック」は約30度で葉タバコを加熱する低温加熱式。これに対し、先行する米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「アイコス」や、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「グロー」は数百度の高温で熱するのが特徴だ。

  • JTが加熱式たばこで勝負かける(画像はイメージ)
    JTが加熱式たばこで勝負かける(画像はイメージ)

全国販売は9月を予定

   2018年末にも、より高温で加熱する新製品を投入し、ライバルと同じ土俵で勝負する。同時に現在の低温加熱タイプも「進化版」の開発を進め、製品ポートフォリオを拡充する計画だ。

   プルーム・テックは2016年3月に福岡市内の一部店舗とオンラインショップで販売を開始。東京都心部では17年6月から、都全域では17年10月下旬からと、まだ日が浅く、都内のコンビニエンスストアにおけるシェアは18年1月末現在で3.3%だという。デバイスの供給制約がある中では「順調な立ち上がり」(JT)とみる。2月からは札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、広島各市のたばこ店でも販売を開始。製造能力の増強を進め、全国販売は9月を予定している。

   ライバルのアイコスは2016年4月から、グローは17年10月から、それぞれ全国販売しており、プルーム・テックが出遅れているのは事実だ。だが、JTがそれまで何もしなかったわけではない。実はライバルに先駆けて、13年12月にプルーム・テックの前身となる「プルーム」を発売。「全く新しいスタイルでたばこを楽しめる画期的な製品」とアピールしたが、時代より先に行き過ぎていたのか、売り方がまずかったのか、ほとんど話題にならなかった。それだけに、今度こそライバルを圧倒できるのか、注目される。

減少続く「たばこの国内総需要」

   もっとも、仮にプルーム・テックが軌道に乗ったとしても、紙巻きの減少を完全には補えない。2017年のたばこの国内総需要は1514億本と前年比224億本(12.9%)も減っている。JTの販売数量も929億本と、133億本(12.5%)の減。18年は17年に比べ16~17%程度と、さらにすさまじい勢いで減る見通しで、国内たばこ事業は営業減益になる見込みだ。

   紙巻きから加熱式への切り替えを促すことができるかが勝敗を分ける。新製品の出来映えが問われることになる。

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