2024年 4月 24日 (水)

黒田・日銀総裁の前途多難 「続投」で本当に目標達成できるのか

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   黒田東彦総裁の続投が、市場の予想通り、事実上決まった。政府が2018年2月16日、国会に提示した日銀の正副総裁人事案は、黒田東彦総裁を再任、副総裁には日銀生え抜きの雨宮正佳理事と、リフレ派の論客として知られる若田部昌澄・早稲田大教授を充てるというものだった。金融市場の安定とさらなる景気押し上げを狙い、現行路線の継続を意識した人事といえるが、2%の物価上昇目標の達成は相変わらず遠く、新体制の前途は多難だ。

   「引き続き強力な金融緩和を続けていく」。黒田総裁は2月16日の衆院財務金融委員会で、今後の金融政策運営についてこう語った。

  • 黒田日銀の先行きは・・・?(画像はイメージ)
    黒田日銀の先行きは・・・?(画像はイメージ)
  • 黒田日銀の先行きは・・・?(画像はイメージ)

副総裁枠めぐる攻防

   現在の正副総裁は、黒田氏を日銀出身の中曽宏、リフレ派の岩田規久男両副総裁が補佐する体制だ。政府は新たな人事案でも、この「黒田氏-日銀-リフレ派」の構成を踏襲した。

   トライアングルの頂点である黒田氏の続投は、政府内で早い段階から固まっていた。安倍晋三首相は、アベノミクスの「第1の矢」である異次元緩和で景気拡大を実現したとして、黒田氏の手腕を高く評価している。ここに来てサプライズ交代となれば、ただでさえ米国発の株価急落で不安定化している市場が動揺する恐れがあるうえ、「アベノミクス失敗」を印象づけかねない。

   そういう意味では、異次元緩和を実務面から支えてきた雨宮氏の昇格も、路線継続に不可欠の人事だったといえる。問題は、もう一つの副総裁枠だった。

   安倍首相は、大量の資金供給でデフレ脱却が可能と主張する「リフレ派」を経済ブレーンとして重用してきた。現副総裁の岩田氏はその筆頭格だが、現在75歳という年齢や体調不良を理由に任期満了で退任したい意向を周囲に明かしていたため、後任が焦点となった。

   候補として急浮上したのが、財務省出身の本田悦朗・駐スイス大使だった。安倍首相とは30年に及ぶ親交があり、第2次安倍政権発足後は内閣官房参与として、異次元緩和導入や消費税増税の延期など、政権の経済政策に深く関与してきた。

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