2018年 11月 18日 (日)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
決裁文書「書き換え」あり得るか 元財務官僚の筆者の見解

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   いま、永田町は森友疑惑で右往左往している。発端は、3月2日(2018年)の朝日新聞記事「森友文書、財務省が書き換えか 『特例』など文言消える」だ。週末金曜日の一面トップで決裁文書が書き換えられたという疑惑が報じられた。

   そのときの筆者の直感は「この報道が事実であれば財務省解体、万が一事実でなければ朝日新聞解体」だ。これは今も変わらない。

  • 書き換えはあったのか?(画像はイメージ)
    書き換えはあったのか?(画像はイメージ)

写しを参院予算委員会理事会に提出

   これについて、元財務官僚の筆者は、「朝日新聞の報道が事実である」という前提とする取材を受けた。財務省が、今回のような決裁文書の書き換えを行うことはあり得るのか、実はよく行われていることなのか。そして、今回なぜこうした財務省の行為が報道されたのかという質問だ。

   前者は、まずあり得ない。決裁文書は典型的な公文書であり、程度問題であるが、その改ざんは、刑法犯の虚偽公文書作成等の罪にもなりうるからだ。筆者は経験ないが、軽微なデータ修正や字句修正はあると答える人もいるようだ。

   後者について、論理的に、(1)近畿財務局の内部、(2)大阪地検の人、(3)会計検査院、からのリークしか考えられない。(1)の場合にはコピーと一緒にリークされるが、(2)と(3)の場合には記者に「確認」のために資料を見せるだけで、コピーは渡らない。

   これらは、先週末に取材に応じている。今週は、国会は財務省に説明を求めている。財務省は国会から資料を提出せよといわれ、今日3月8日に、近畿財務局が保管する決裁文書の写しを参院予算委員会理事会に提出した。

地検に「返して」と頼めばいい

   その過程で、問題となっている決裁文書は大阪地検にあり、近畿財務局にはないことが判明した。

   麻生財務相は、捜査に支障をきたすおそれがあるという理由で資料の提出を拒むことがよくあるが、それを主張できるのは捜査当局である大阪地検であり、財務省のいうことではない。

   財務省は、さっさと大阪地検に、国会から求められているので、当該決裁文書を返して欲しいと頼めばいい。その結果、大阪地検が捜査のために必要だといえば、その旨を国会に報告すればいいし、返してもらったら、それを国会に提出すればいい。国会もなぜそうした指示を財務省にいわないのか不思議である。もっと、直接的に、国会が捜査当局に説明を求めてもいい。橋下徹氏は7日のツイッターで、筆者のツイートに対して、「捜査機関に、問題の文書が存在するか否かを明らかにすることや、関係者へのヒアリングをすることが捜査に影響するのかどうかを確認すればいいだけ。野党はパフォーマンスする前に捜査機関に問い合わせすべき。与党もこれくらいの確認はすべき。捜査機関もこれくらいの問い合わせには回答拒否はできない」としている。

   国会は空転している。8日午前の参院予算委員会は開かれたが、一部の野党議員は財務省が提出した資料に不満があるため、退席し審議に加わっていない。

   一方、朝日新聞報道では、決裁文書を「確認」しただけで、「ブツ」である決裁文書の画像すらない。先の加計学園の時にも、文科省文書の一部画像があった。

   財務省と朝日新聞(リーク先も共闘かもしれない)は、一歩も動かずにらみ合ったままだ。

   国会がさらなる圧力を財務省にかけるのか、国民が朝日新聞に疑惑を説得的に示す「ブツ」を求めるか。言い出しっぺに挙証責任があるという原則では今度は朝日新聞の番であるが、五分五分だろう。率直に言えば、朝鮮半島情勢が動いている中、国会ではもっと有益な議論に時間を使ってほしい。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「これが日本経済の邪魔をする『七悪人』だ!」(SB新書)など。


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