2024年 4月 26日 (金)

小池知事、なぜか沖縄知事選参戦 でも陣営から「スルー」される「古傷」とは

   前衆院議員の玉城デニー氏(58)と前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)による接戦が続く沖縄県知事選(2018年9月30日投開票)に、なぜか東京都の小池百合子知事も「参戦」だ。小池氏は16年の都知事選をめぐる対立を発端に自民党を離党。その後も古巣の批判を続けてきたが、今回小池氏が応援に立ったのは、自民党や公明党が支援する佐喜真氏だ。

   だが、佐喜真氏の陣営では、小泉進次郎筆頭幹事長の応援演説は積極的にSNSでPRするものの、小池氏の応援は「スルー」。佐喜真陣営と小池氏の微妙な距離感が透けて見える。

  • 東京都の小池百合子知事。何故か沖縄県知事選にも「参戦」だ(2017年撮影)
    東京都の小池百合子知事。何故か沖縄県知事選にも「参戦」だ(2017年撮影)
  • 東京都の小池百合子知事。何故か沖縄県知事選にも「参戦」だ(2017年撮影)

2020年の都知事選で「古巣」自民党の支援求める狙い?

   小池氏は9月22日から23日にかけて沖縄入り。演説で明らかにしたところによると、自民党の二階俊博幹事長の依頼を受けたという。二階氏と小池氏は18年4月に会食したり、5月には自民党本部を訪問して会談したりするなど、接触が相次いでいる。20年に行われる2期目に向けた都知事選で、「古巣」自民党の支援を求める狙いだとの指摘も出ている。そんな中での沖縄訪問で、さらに小池氏と自民党の接近ぶりを印象付けたとも言えそうだ。

   演説では、自らの実績にからめた発言が目立った。例えば9月22日に宜野湾市で行った演説では、04年9月から06年9月に沖縄担当相だったことを引き合いに

「私が担当大臣を務めていたころ、観光政策も大きな大きな柱だった」

として、佐喜真氏の後継にあたる宜野湾市長候補が「『宜野湾市民ファースト』の精神」を目標にしている、などとアピール。その上で、

「観光という産業が、この宜野湾においてもさらに広がるように、さらに頑張っていただけるように」

などと訴えた。基地問題については、普天間飛行場に隣接した沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した04年の事故には言及したものの、辺野古への移設問題には触れなかった。

小泉進次郎氏の応援演説は「拡散希望!」だったのに

   この演説が佐喜真氏の陣営に歓迎されていたかは疑わしい。それを浮き彫りにするのが佐喜真氏のツイッターだ。小泉氏の応援演説については

「拡散希望!」
「青年の応援が本当に熱かったです!若者の賃金アップ 必ず実現していきます!」

などと、動画つきで繰り返しツイートしたが、小池氏については触れないままだ。この背景にあるとみられるのが、玉城氏が16年7月に発信したツイートだ。当時は都知事選の最中で、特定秘密保護法(2013年12月成立)を審議していた委員会の様子を振り返る形で

「法案の中身について法案の危険性を危惧する国民からのfaxを示して追及していた玉城の背後から女性の声で『日本語読めるんですか?分かるんですか?』と呟く声がした。質問を終えて振り返ると今をお騒がせの女性都知事候補その人だった」

と書き込んだ。これが今になって「小池氏の差別発言」だとして拡散されている。小池氏の露出が増えることで過去の発言がさらに蒸し返され、佐喜真陣営にはダメージになりかねない、というわけだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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