2018年 12月 12日 (水)

スルガ銀行だけじゃない! 地銀株、だから買えない理由とは

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   日経平均株価が好調に推移するなか、地方銀行株がさえない。2018年10月5日の株価は、上場地銀の約7割が前日比マイナスに陥った。

   同日は、金融庁が「かぼちゃの馬車」問題を起こしたスルガ銀行に対して、融資業務の一部停止を命じる行政処分を課した。その影響がないとはいえないが、「危うい」地銀はスルガ銀行だけではないようだ。

  • 金融庁は地銀経営に問題意識をもっている
    金融庁は地銀経営に問題意識をもっている

業務停止命令のダメージ 既存の取引先も「はがれていく」

   金融庁が、シェアハウス「かぼちゃの馬車」(不動産会社のスマートデイズ)向けなど投資用不動産融資で不正が横行していたスルガ銀行に、投資用不動産向け融資などの新規受け付けを10月12日から6か月間停止するよう命じた。

   自らの居住に当てる部分が建物全体の50%を下回る新規の住宅ローンについても停止する。

   命令は、まだある。健全かつ適切な業務運営を確保するため、今回の処分を踏まえた経営責任を明確にすることや、健全な企業文化をつくるため、全行員にコンプライアンスの遵守などの研修を行うこと、暴力団関係者の排除、創業家関連のファミリー企業との取引の適正化、投資用不動産融資の債務者に対して、元本返済の一部免除を含め適切に対応すること、11月末までに業務改善計画を提出すること――が、その内容。預金の預け払いなどの窓口業務は通常どおり可能だ。

   一方、金融庁は処分の理由を、シェアハウス向け融資などの投資用不動産融資での不正行為と、シェアハウス向け融資などを実行する際にカードローン、定期預金、保険商品などの商品を抱き合わせて販売するなど、顧客保護上の不適切な業務運営を行ったこと、暴力団関連やファミリー企業との不適切な取引の存在、金融庁に実態と異なる内容を報告していたこと―-としている。

   銀行への業務停止命令は、信販会社との提携ローンをめぐる暴力団への融資問題で、2013年にみずほ銀行に出して以来。ある地銀幹部は、「業務停止は軽くない処分。(現在取引のある)融資(顧客)がはがれていくことを考えると、(スルガ)銀行の屋台骨はガタガタになるだろう」とみている。

「銀行」とは名ばかり、実態はファンドと変わらない

   もちろん、不正融資は許されることではない。ただ、スルガ銀行がそうでもしなければ収益を上げられなかった背景には、地銀の収益体質そのものに問題があるからだ。

   金融庁にしても、一時は前長官の森信親氏が一貫して、「個々の地銀が創意工夫して、新たなビジネスモデルをつくり上げることが重要」と力説。その新たなビジネスモデルの代表例として、事あるごとに「スルガ銀行」を取り上げ、褒め称えていた。

   地銀にとって、「新たなビジネスモデルの構築」は収益悪化を食い止めるために是が非でも成し遂げなければならない「命題」として、金融庁に突き付けられた刃のようなもの。それほど、「崖っぷち」にまで追い込まれていたワケだ。

   実際に、2017年度の地銀決算をみると、全国102行(埼玉りそな銀行を含む)のうち、過半数の54行で貸し出しなどの「本業」の利益が赤字だった。さらに、このうちの12行が2期連続、40行が3期以上連続して赤字に陥っている(金融庁の「地域銀行モニタリング結果のとりまとめ」7月13日発表)。地銀のこうした経営状況に、金融庁は問題意識を強めている。

   また、日本銀行も「金融システムレポート別冊シリーズ 2017年度の銀行・信用金庫決算」で、地域銀行(地銀64行と第二地銀41行の合算)は、貸出利ザヤの縮?に伴い、貸し出しによる利益が減少している??で、株式利回りの上昇や、利ザヤの厚い投資信託の運用のウエイトの高まりから有価証券による利益が大きく拡大した、と指摘。

   現状で地銀が最も利益を上げている分野は株式と投資信託による運用で、つまり「銀行」の看板は掲げているものの、どこぞの投資ファンドと何ら変わらなというワケ。さらには、今後は保有している債券の価格下落(金利は上昇)で、含み損が発生する恐れもある。

   これでは、なかなか地銀株を「買おう!」という気になりそうもない。

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