2018年 12月 15日 (土)

絶滅危惧種のオークション出品が相次ぐ 専門家「生き物への侮辱」と警鐘

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   インターネットオークションで絶滅危惧種が多数出品されている――。とあるツイッターユーザーがこんな指摘をし、問題視する声が相次いでいる。

   J-CASTニュースの取材に、環境省は「倫理的には問題ですが、法律に触れるかというとそうではない」と説明。専門家は「生き物に対しての大きな侮辱」と憤りを隠さない。

  • ヤフオク!でのニホンザリガニの落札例(編集部で一部加工)
    ヤフオク!でのニホンザリガニの落札例(編集部で一部加工)

「昨日採取して参りました」「死着保証致します」

   ツイッターの投稿者は2018年12月3日、「これはまずいな...」との嘆息とともにオークションサイト「ヤフオク!」に多数出品されているニホンザリガニの写真を共有した。

   北海道西部と青森・秋田・岩手だけに生息するニホンザリガニは、環境省が絶滅危惧種に分類しており、個体数が著しく減少している種だ。J-CASTニュースが12月4日、ヤフオク!を確認すると、ニホンザリガニの出品は19あった。過去の落札相場(120日分)を見ると、平均額は約4600円、最高額は10万円に上った。

   いくつかの商品紹介では、「野生の個体ですので、多少の傷等はご了承下さい」「北海道室蘭産です。昨日採取して参りました」とあり、野生種の販売が目立つ。「基本的に死着保証致します」ともあり、配送の過程で死んでしまう個体も少なくないようだ。

   そのほかにも、トウキョウサンショウウオ、オキナワヤマタカマイマイ、カワバタモロコなど多数の絶滅危惧種が出品されていた。

   前述の「告発」ツイートは広く拡散され、

「絶滅の危機に瀕している生物を金のために乱獲するなんて...」
「これは真剣にオークション元で規制すべきレベルではないだろうか」

といった意見が寄せられている。

環境省「体数が減ってしまうのは問題」

   現在、日本に生息する絶滅危惧種は3675種おり、その中から人為的な影響により生息・生育状況に支障をきしている種が「種の保存法」の適用となる。

   同法に指定されているのは現在259種で、その中の「国内希少野生動植物種」に分類されると捕獲や譲渡が禁止となる。「国際~」は、環境省の登録を受けると譲渡が可能になる。

   つまり、絶滅危惧種に分類されているものの種の保存法に指定されていない種は、捕獲・譲渡は可能となる。ヤフオク!の規定でも、種の保存法に指定されていない絶滅危惧種の出品は禁止していない。フリーマーケットアプリ「メルカリ」も同様の規定だ。登録済みの国際希少野生動植物種の出品も問題なく、例えばアジアアロワナの出品が見つかった。

   環境省希少種保全推進室の担当者は12月4日、J-CASTニュースの取材に「倫理的には問題ですが、法律に触れるかというとそうではないです」と声を落とす。

「こちらとしても採集によって絶滅危惧種の個体数が減ってしまうのは問題だと思っています。ですが法的拘束力はないので、売買をしないようにとの呼びかけにとどまっています」

   省では随時調査を進め、種の保存法が適用される種を定期的に見直しているという。

専門家はオークションサイトに規制要求

   環境コンサルタント会社に勤め、生物の環境保全に取り組んでいる男性はJ-CASTニュースの取材に、絶滅危惧種の売買は、

「私たちの会社をはじめ、生き物が大好きだと言う人たちおよび、その売買される生き物に対しての大きな侮辱だと思います」

と主張する。

「フリマアプリやオークションサイトで、度を越えた値段での取引や大量に生体の入った窮屈そうな衣装ケースなどを見ると頭が痛くなります」

   ただし売買にかかわる人の中には、人工繁殖で数を増やし、適正な値段で販売している人もいるという。そのため、男性は「オークションサイトでの無法地帯ぶりは、そのようなブリーダーの方たちへの風評被害にも繋がる」と懸念する。

   オークション事業者には「早急にオークションサイトでの野生動物の取引規制を行って欲しい」と訴えた。

ヤフー「適切に対応しております」

   ヤフオク!を運営するヤフーは、こうした声をどう受け止めているのか。同社の広報担当者は、取材に「種の保存法を含め、法令に反する出品を削除しております。判断が難しいものは関係省庁に確認し、適切に対応しております」とチェック体制を設けていると説明する。

   種の保存法に指定されていない絶滅危惧種については、「今後、種の保存への影響なども鑑み、関係省庁などとも連携しながら、社内で対応を検討してまいります」としている。

(J-CASTニュ-ス編集部 谷本陵)

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