2019年 11月 13日 (水)

高橋洋一の霞が関ウォッチ
山梨大の学長挨拶、NHKは「異様な反日政策」より「運営費交付金」を報じるべき

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   新年早々、ちょっと風変わりなNHK報道があった。1月8日(2019年)の「山梨大学 学長の年頭あいさつ『韓国 異様な反日政策』で反響」である。

   一応客観的な書きぶりで、「山梨大学の学長が年頭のあいさつで、韓国について『異様な反日政策をとっている』などと発言したことに、インターネット上ではさまざまな意見が出ています」と、インターネットでの出来事を「報道」している。

   たしかに、インターネットではそうであるが、メディアが他のメディアを引用するときは、ちょっと気をつけたほうがいい。

  • 山梨大学サイトで学長あいさつの全文が公開されている(画像は同サイトより)
    山梨大学サイトで学長あいさつの全文が公開されている(画像は同サイトより)

本年度予算について「前年末に決まらないのは極めて問題だ」

   山梨大学の島田眞路学長の挨拶文の全文は、山梨大学サイトに出ている。それを読むと、たしかに、

「不穏といえば、韓国もレーダー照射、徴用工問題、従軍慰安婦など異様な反日政策をとっています」

とあるが、韓国だけではなく、世界各国の国際情勢にも言及され、まさに、世界情勢を客観的に語っている。

   挨拶の中では、山梨大学に関わる部分も少なくない。世界情勢に関する部分は挨拶の枕でしかない。挨拶の主要部分である「本年度予算」については、「前年末に決まらないのは極めて問題だ」とした上で、

「私は以前から国立大学協会で、運営費交付金の件に関して『財務省と戦って引き上げるべき』と発言していますが、このところやっと会長でもある京都大学の山極総長が財務省と戦う姿勢を見せています。このまま実質上減少していけば、山中先生、大村先生、大隅先生、本庶先生のようなノーベル賞はもう望めなくなります」

と語っている。

   島田学長も、この部分が取り上げられないで、枝葉の「韓国 異様な反日政策」と報じられるのは心外だろう。

   つまり、NHK報道は、挨拶全文の「切り取り」であり、それはNHKの都合なのだ。そこで、客観的に振る舞うために、インターネットで話題になっているという「事実」の紹介という体裁だ。

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