2024年 4月 26日 (金)

目玉特集は「死後の手続き」 どの週刊誌も「終活バブル」状態に

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   週刊現代や週刊ポストが先鞭をつけた「高齢者路線」に、他の週刊誌が続々と参入している。

   これまで現代・ポストの両誌は高齢者の性や健康を取り上げることが多かったが、今の主戦場は葬儀や年金、相続など「死後の手続き」。週刊現代は10号、週刊朝日は7号連続で特集を組むほどだ。

  • 週刊誌のには「死後の手続き」に関する見出しが多く並ぶ
    週刊誌のには「死後の手続き」に関する見出しが多く並ぶ
  • 週刊誌のには「死後の手続き」に関する見出しが多く並ぶ

週刊現代は10号、週刊朝日は7号連続で...

   最も先行したのが週刊現代だ。2018年12月8日号(11月26日発売)で「あなたと親の『休眠財産』を掘り起こす」と題した特集を掲載し、翌12月15日号(12月3日発売)で

「これで安心して、さよなら 10日で出来るあなたの人生『最後の総力戦』」

と題した特集を掲載して「死後の手続き」路線を本格化させた。特集は10号連続で展開され、2月16・23日号(2月4日発売)ではタイトルも「最期の総力戦」に。最新の19年3月9日号(2月25日発売)では「ドーンと20ページ! 本家本元だから、どこよりも詳しい 『最期の総力戦』第10弾」と、景気のいい見出しが躍った。

   続いたのが週刊朝日だ。19年1月25日号(1月15日発売)に「書き込み式 死後の手続き」と題した特集を載せたのを皮切りに、毎週の表紙には

「生前にできる死後の手続き」(2月5日号)
「困る前に整える 死後の手続き」(2月8日号)
「葬儀をせずに幸せに逝く」(2月15日号)
「夫や妻と死別後の手続き」(2月22日号)

といった見出しが躍った。最新号の3月8日号(2月25日発売)で、7号連続の掲載だ。

「死ぬ前に用意しておくこと」特集で売り上げ3割増

   比較的後発なのが週刊文春、サンデー毎日、週刊ポストの3誌だ。週刊文春は、2月7日号(1月31日発売)から「死後の手続き」「『葬儀』の手続き」「墓の手続き」などに関する特集を4週連続で掲載。サンデー毎日も、3月3日号(2月19日発売)から2週連続で「完璧な終活」と題した特集を掲載している。週刊ポストは3月8日号(2月25日発売)で「『一家に1冊』保存版大特集 親が『死ぬ前』『死ぬ後』の準備」とうたっている。

   なぜこれほどに「死後の手続き」特集が流行るのか。この背景には、やはり売り上げの問題があるようだ。日販がウェブサイト「ほんのひきだし」で紹介した19年1月の雑誌売上ランキング(冊数ベース)によると、「コロコロコミック 2月号」「週刊少年ジャンプ 2月号」といったコミック誌が上位にランクインする中で、10位にランクインしたのが「週刊現代」。最も売れたのが1月7日発売の1月19・26日の合併号で、巻頭大特集が「死ぬ前に用意しておくこと」。「昨年同時期と比較しても130%に迫る売れ行き」だという。

特集まとめたムックはアマゾン22位

   日本ABC協会の調べによると、週刊現代の18年上期(1~6月)の平均報告部数は、20万9025部。週刊文春(33万5656部)、週刊新潮(25万1403部)、週刊ポスト(21万1336部)の3誌に水をあけられている。だが、20位まで発表された1月の売り上げランキングの中にこの3誌の名前はない。「死後の手続き」特集で週刊現代だけ大幅に部数を伸ばしたとみられる。

   これらの雑誌の読者層の4分の1程度が65歳以上だ。この世代の親の世代は80~90代だとみられ、手続きや備えを急ぐという点で、需要にマッチした可能性もありそうだ。

   もっとも、こういった特集が「週刊誌」に載る必然性については議論の余地がありそうだ。2月15日に発売された書籍「週刊現代別冊 おとなの週刊現代 2019 vol.1 死後の手続きはこんなに大変です」(講談社 MOOK)を発売。2月26日18時時点でアマゾンの「本」全体のランキングで22位にランクインするほどの人気だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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