日本ラグビーフットボール協会(JRFU)は2019年7月4日、東京都内でワールドカップ(W杯)2019で代表選手が着用する「新ジャージ」のお披露目をした。ラグビーの代表ジャージといえば、「赤白」の横縞。寿司ネタでいうところの「エビ」のようなデザインで知られている。ところが今大会で着用する新ジャージは「赤白」の間にゴールドを入れる...という斬新なデザインだ。30年以上ラグビーに携わってきた記者も、初めて見たジャージで、JRFUも「金色を取り込むのは初」だという。富士山のご来光を「サンライズゴールド」で表現今回、日本で開催されるW杯マークには、日本の象徴である富士山が描かれている。代表ジャージを手掛けるアパレルメーカー「カンタベリー」の担当者は、「(アジア初の日本開催ということで)世界に誇れる日本一の美しい富士山のご来光を黄金カラーで表現しました」また左胸にある「桜のエンブレム」も、これまではワッペンだったが、初めて3D型を使用。ゴムのような素材で、ポコッと飛び出ている感じだ。JRFU関係者によると、「欧州の代表チームは、この3Dエンブレムをすでに取り入れています。それに倣って」また、従来はボーダーデザインの「赤白」だったが、今大会はジャージ前面が「V型」の縞、背面が逆に「山型」の縞となっている。カンタベリー担当者によると、「日の丸のカラーはこれまでと同じですが、今回は『兜』の前立てをモチーフにした鋭角ラインのストライプを始めて採用しました。日本代表らしいスピード感、躍動感、力強さを表現しています」加えて、前面と後面で縞の入れ方を変えたことについては、「前面は兜の前立てをモチーフとした『V型』に曲げることにより、身体を多く見せる錯覚効果で相手を威圧するデザイン。背面は、富士山をモチーフに『山型』に曲げることで、後方から追う相手に速さを感じさせるデザインとなっています」ポジションによって異なる3タイプを準備ここまではデザイン中心だが、突出すべきは「FW前3人(スクラムの最前列)」「FW後5人(スクラムの後列、運動量が多い位置)」「BK(走ったりボールを蹴ったりする位置)」の3タイプを準備したということだ。「(ラグビーは)ポジションによって役割が異なります。各ポジションに適したジャージ製作のために選手に個別取材をし、最高のものができました」(カンタベリー担当者)実際、2015年W杯のジャージと比べて、・耐久性→FW=9%アップ、BK=8%アップ・軽量性→FW=12%低減、BK=7%低減・速乾性→FW=17%向上、BK=37%向上・快適性→FW=31%改善、BK=28%改善※カンタベリーによる2015年ジャージとの比較データと、飛躍的に改善されている。同会見に登壇した後、取材に応じたリーチマイケル主将は、「僕は猫背なので...。でも、このジャージは(胸のあたりの)圧迫感がない。あと、肩の部分に滑り止め(表面にザラッとした素材が塗布してある)とかは、スクラムの時にいいですね」また「JAPANの韋駄天(いだてん)」と言われるWTB福岡賢樹選手は、「捕まりにくさっていうのは、自分は大事にしているので。最初は肩回り、腕周りが動きにくかったんですけど、それを改善してもらって。すごく動きやすくなりました」私事で恐縮だが、記者が大学でプレーしていた時のジャージは綿製で、雨が降ると、とてつもなく重くなったことを記憶している。ジャージも、ここまで進化したか...と思うと、感慨深くもあり、ここまで協力してくれる周囲に代表選手も感謝しつつ、自己研鑽(けんさん)に励んでいただきたいと強く思う。(J-CASTニュース編集部 山田大介)
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