2019年 11月 13日 (水)

京アニ犠牲者の「実名報道」に批判 マスコミ各社はどう報じているか

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   京都アニメーション放火事件をめぐって、その報道のありかたが問われている。

   犠牲者34人の身元が確認され、京アニはその氏名を公表しないよう求めているが、実名入りの訃報が相次ぎ、ネット上では批判の声が出ている。

  • 公式サイトに掲載された「7月18日に発生した事件について」
    公式サイトに掲載された「7月18日に発生した事件について」

公式サイト「実名報道をお控えいただくよう、書面で申入れをしております」

   京アニ公式サイトには、「7月18日に発生した事件について」と題したコメントが掲載されている。2019年7月21日に公開され、24日に更新されたこの文章では、メディア対応を弁護士に任せるとし、当面の間、会社や社員、その親族や遺族らへの直接取材を控えるよう求めている。また「警察及び報道に対し、本件に関する実名報道をお控えいただくよう、書面で申入れをしております」と説明し、

「遭難した弊社社員の氏名等につきましては、ご家族・ご親族、ご遺族のご意向を最優先とさせていただきつつ、少なくともお弔いが終えられるまでの間は、弊社より公表する予定はございません」

と続けている。

   一方で、亡くなった34人全員の身元が25日までに判明し、遺族への遺体引き渡しが始まると、犠牲者の氏名を見出しに取った記事を、各メディアが続々と掲載し始めた。なかには有名監督の訃報もあり、27日朝には「〇〇監督の悲報」(以下、伏せ字はJ-CASTニュース編集部)がツイッターのトレンド入りし、

「なんで実名報道されてるの...」
「実名報道禁止してるのにトレンドかい」

といったツイートが出ている一方で、それらの記事を拡散するファンに対しても、

「京アニさんから言われるまではデマかもって無視すんのが1番でしょ」
「マスコミが実名出したとかでその記事をネットで拡散させてたらやってる事が一緒な気がするなぁ」

などと、いさめる声が見られている。また、これらの取材が直接でなく、弁護士を通した正規のルートで行われている可能性や、遺族の意向をくんだ結果、あえて実名報道にしているのでは、と指摘するユーザーもいるが、多くはメディアに対して批判的な声だ。

   では、主要メディアでは、どのように報道されているのか。

各社報道を比較してみると

   NHK NEWS WEBは7月25日午後、「『苦しかったろ やっと連れて帰れる』京アニ 色彩担当者の両親」のタイトルで、女性アニメーターの死亡確認を両親が明かしたと報じた。この時点でも記事中では氏名を出していたが、26日早朝に出た続報では「『京アニ』放火で死亡確認 □□□□□さんの通夜」と見出しにも取り、前夜に行われた通夜の様子を伝えている。

   産経新聞(ウェブ版)は26日午後、「京アニ放火 『着色のプロ』△△△△△さんも犠牲に 父親『現実を突きつけられると、やはり胸が苦しい』」と題した記事を掲載。家族への取材をもとに、NHKが報じた犠牲者とは異なる、女性アニメーターの死亡を確認したと伝えた。

   日本経済新聞(電子版)も26日夜、「『◆◆◆◆』〇〇監督の悲報、親族に 京アニ放火」と題する記事を掲載。前半の伏せ字には作品名、後半にはその作品を手掛けた男性監督の名字が入れられている。この記事では、親族への取材で死亡が確認されたとし、父親が日経に対して語ったコメントが載せられているが、後半部分は日経電子版の会員のみが読める形となっている。27日にトレンド入りしたのはこの記事だ。

   27日の朝刊紙面(以下、各社とも東京14版)を見てみると、日経は「『◆◆◆◆』監督の死亡確認」の見出しで、電子版とほぼ同じ文章を掲載。産経も「京アニ社員 △△さん犠牲に」と、遺族提供の顔写真とともに伝えた。なお朝日、読売、毎日の3紙では、被害者の氏名や、遺族への取材記事は載っていなかった。

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