2019年 8月 19日 (月)

「表現の不自由展」脅迫FAX、なぜ捜査難しい? 市、県にも続く送り付け

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   国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の少女像撤去を求める脅迫のFAXが届いた問題で、実行委事務局は、愛知県警に被害届を出したことを明らかにしている。

   同時に捜査が難航しているともしたが、なぜなのだろうか。

  • 津田大介氏がツイッターで説明
    津田大介氏がツイッターで説明

「FAXはネット経由で匿名化されていた」

   2019年8月1日に始まった芸術祭では、企画の1つ「表現の不自由展・その後」に慰安婦を象徴する「平和の少女像」が置かれるなどして、実行委に疑問や批判の電話やメールが殺到する騒ぎになった。

   テロ予告や脅迫と受け取れるものもあって安全な運営ができなくなったと、実行委会長の大村秀章知事が3日、会見してこの企画展を中止すると発表した。京都アニメーションの放火殺人事件を思い起こさせる内容のFAXが、前日朝に展示会場に届いたことが大きかったようだ。

   そこでは、「大至急撤去しろ。さもなくば、ガソリンの携行缶持ってお邪魔する」といった脅迫文が書かれていた。実行委事務局の広報担当者にJ-CASTニュースが聞くと、住所、氏名などの差出人情報はなく、一方で京アニの事件のことも触れられていなかったという。

   ネット上では、脅迫なら警察がすぐに動かないとおかしいとの声が上がり、芸術監督の津田大介氏が3日、ツイッターでこう説明した。

「もちろん警察に届けたのですが、匿名化されてて特定できないと言われたみたいですね。大村知事が会見で述べてました」

   これに対し、抗議するためにFAXの文面を世間に公表すべきだといった指摘も出るなどして、津田氏は、4日も追加の説明を行った。

「もちろん公開する選択肢もありましたしあのFAX以外にも脅迫やテロ予告と取れるものはありましたが、それを丸々公開すると犯人や見た人を刺激して更に危険が高まるためやめた方がいいと警察に止められているんです。FAXはネット経由で匿名化されて送られていましたね。手段をよく知ってる人の犯行です」

NTT東日本「匿名化は原理的には可能」

   ネット経由で匿名化されて脅迫FAXが送られてきたというのは、どういうことなのだろうか。

   NTT東日本の広報室は8月6日、匿名化は原理的には可能だとJ-CASTニュースの取材に答えた。

「弊社の地域通信ネットワークとネットの通信ネットワークとは、つながっていて行き来できます。ネットを経由してNTTのネットワークに入るものについては、そもそもの電話番号が偽装されていれば、特定が難しくなります」

   もっとも、NTT東日本のネットワーク内では、番号が非通知であっても、匿名化することはできず、番号を特定できるとしている。

   京アニの事件を思い起こさせる脅迫は、その後も止んでいない。

   名古屋市の河村たかし市長は8月5日の会見で、前日朝に市のサイト上にある市長ホットラインのフォームから、「ガソリン携行缶を持って貴様のところに明日行く」という脅迫の書き込みがあったことを明かした。市の人材育成コンプライアンス推進室に聞くと、少女像展示に対してか、撤去を求めた市長発言に対してかなど目的は分からないという。市では、当日中に愛知県警に相談した。

   また、大村県知事は5日の会見で、この日朝も脅迫文が実行委事務局のメールアドレスに送り付けられたと発表した。そこでは、住所や名前も書いてあり、「私の部下青葉真司が実行した京都アニメーションへの放火はお楽しみいただけましたでしょうか」として、日付を指定して「ガソリンを散布する」などとあった。すぐに警察に通報したとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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