2024年 4月 24日 (水)

仮想通貨取引は「地域格差」超えられる? 地方での拡大、カギ握るのは...

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   仮想通貨取引にも地域間格差? そんな傾向が読み取れるデータが、国内大手仮想通貨取引所・ビットバンクのユーザー分析調査で判明した。

  • 仮想通貨にも「地域」の差が?(イメージ)
    仮想通貨にも「地域」の差が?(イメージ)
  • 仮想通貨にも「地域」の差が?(イメージ)

取引所が集積する東京が圧倒的1位

   分析調査の結果は、ビットバンクの三原弘之COO(最高執行責任者)が、ブログプラットフォーム「Meduim」の2019年9月25日付の記事で明らかにしている(原文は英語)。

   記事によると、都道府県別の取引高の割合を示す「地域別の取引価値」は、東京が32.61%。2位の大阪の6.52%を大きく引き離して1位となった。東京が1位の理由としては、金融庁に認可を受けた全20仮想通貨取引所のうち、16取引所が都内に立地しており、電車や街頭などの広告を通じて仮想通貨を認知する機会が多いほか、国内総人口の1割を占める人口的要素が影響しているとみられる。

   東京、大阪に続く順位は、3位神奈川6.02%▽4位北海道5.48%▽5位埼玉4.94%▽6位福岡4.66%▽7位愛知3.82%▽8位兵庫3.77%▽9位千葉3.61%▽10位熊本2.64%――など。おおむね人口に比例しており、仮想通貨取引は都市部に集中していることがわかった。

取引高の決定要素になりうる若者人口と決済店舗数

   また、ブログでは、年齢別の取引高のデータを公表。三原COOはブログ内で、「仮想通貨はミレニアル世代(2000年代に成人あるいは社会人になる世代)のためのものとされるが、日本でも同様だ」と指摘するように、20代後半から30代前半のユーザーの取引高の多さが顕著に目立った。

   この結果をもとに考えると、若者の人口の多寡が、都道府県別の取引高の傾向に直結していることが推測される。

   また、人口以外の要素として、支払いや決済手段として仮想通貨を利用できる場所があるかどうかも、地域ごとの取引高に影響している可能性がある。

   「Bitcoin日本語情報サイト」によると、ビットコインが決済に使える店舗数は東京が最も多く、約80店に上る。その他の地域では、愛知26店▽大阪23店▽兵庫12店――など都市部を中心に、決済可能店舗が多く存在している。

人口44位の徳島、取引高では12位

   一方で、人口や仮想通貨が使える店舗数など数量的要素を覆しうるファクターもある。

   例えば、人口が44番目に少ない徳島は、都道府県別の取引高順位で12位に入る。上位に入った要因としては、当地で仮想通貨の普及、啓蒙を行う組織の存在が挙げられるだろう。

   徳島では、仮想通貨の普及活動を行う一般社団法人日本クリプトコイン協会の支部が2018年7月に発足している。同協会のホームページによると、徳島支部は、地方において課題となる仮想通貨情報の伝達の遅さを是正するとともに、コミュニティーの輪を広げることを目的に活動。19年6月には、仮想通貨の使用促進・決済導入の普及などを目的とした「暗号通貨技能検定」を開催している。

   地元の徳島大学には、仮想通貨サークルが存在することもツイッター上で確認されており、様々なところで啓発活動が展開されていることがわかる。

   徳島のように、地方にも関わらず、仮想通貨の先進地域があるのは確かだ。しかし、大半の地方では、情報格差もあり、仮想通貨の保有率が低くなりやすい。全国的に仮想通貨が普及するためにはやはり、当地の啓発組織などを通じて仮想通貨に対するイメージが改善されると同時に、決済手段として仮想通貨を利用できる場所が増えることが、必要条件になってくるのではないだろうか――。

(ライター 小村海)

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