2024年 4月 24日 (水)

「失礼いたしました」と頭下げたけど... NHK北朝鮮ミサイル誤報、韓国メディアにも波及

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   NHKが「北朝鮮のミサイル 海に落下と推定 北海道襟裳岬の東約2000キロ」と公式ニュースサイトなどで誤報した。約20分後以降にサイトやテレビ放送で誤報を認め、テレビではアナウンサーが「たいへん失礼いたしました」と頭を下げた。

   誤報があったのは2019年12月27日未明。北朝鮮が米国との協議をめぐり、「クリスマスプレゼント」談話を発表していた中での誤報となり、韓国メディアの中には「『北朝鮮ミサイル誤報』のNHKに...米専門家『誤報で戦争が起きる』批判」の見出しで報じる社もあった。

  • NHKは公式サイトに「誤配信についてのおわび」を載せた
    NHKは公式サイトに「誤配信についてのおわび」を載せた
  • NHKは公式サイトに「誤配信についてのおわび」を載せた

元NHKの和田議員もおかんむり

   NHKは27日未明の0時22分、ニュースサイトやニュース・防災アプリなどで

「北朝鮮のミサイル 海に落下と推定 北海道襟裳岬の東約2000キロ」

と誤った情報を速報として配信した。その約20分後の0時45分には、

「0時22分配信の北朝鮮ミサイル落下のニュース速報は誤りでした」

とサイトなどで訂正した。さらに0時49分からは、総合テレビで1分間の「ニュース」枠として、誤報したことを認めた。アナウンサーは冒頭から、

「ここでNHKからのおことわりです」

と切り出し、「先ほど午前0時22分ごろ~(略)」と先に紹介した誤報内容に触れ、

「誤って配信してしまいました。これは訓練用の文章で、事実とは異なります。たいへん失礼いたしました」

と頭を下げた。その後も「繰り返し、NHKからのおことわりです」と同じ内容を再度伝えた。

   また、ニュースサイトでは未明の2時28分、「誤配信についてのおわび」を載せ、

「(略)と誤って速報で配信しました。これは訓練用の文面で、事実ではありませんでした。視聴者・国民の皆さまに、おわびいたします」

と謝罪した。

   なお、襟裳岬がある北海道えりも町の公式サイトによると、町は「北海道の東南端」にあり、仮にNHK誤報(襟裳岬の東約2000キロに~)が本当だったら、ミサイルは日本列島を横切って飛んでいった形になるところだった。

   この誤報に対し、NHKが古巣の自民党参院議員、和田政宗氏は27日未明のツイッターで、

「NHKがネットのニュース速報で大誤報。(略)私は国交省のミサイル対応担当で、確認に追われた。NHKは0時49分よりテレビで『NHKからのおことわりです』と、誤報だったと伝えたが、『大変失礼しました』と述べ、全く謝罪せず」

とおかんむりだった。

北朝鮮「クリスマスプレゼント」緊張のさなかだけに...

   海外メディアも反応した。韓国の中央日報(日本語ウェブ版)は27日朝、

「『北朝鮮ミサイル誤報』のNHKに...米専門家『誤報で戦争が起きる』批判」

の見出しで、「安保および核拡散専門家でマサチューセッツ工科大(MIT)教授のビピン・ナラン氏」のコメントを伝えた。

   記事では、北朝鮮外務省の米国担当次官が3日、米国との協議に進展がない状況を受け、「クリスマスプレゼントに何を選ぶかはアメリカの決心次第だ」とする談話を発表していて、緊張感が高まっていた状況に触れた。米国東部時間でクリスマス(25日)が終わったのは、日本時間で26日の昼下がりで、NHKが誤報を流した27日未明は、まだ半日も過ぎていないタイミングだった。

   中央日報記事によると、ナラン教授は、「今回の誤報」に対して、

「このような特別な時には、このような偽アラームが戦争を引き起こしかねない」
「バックナイン(ゴルフのラウンド後半部)にいたトランプがアンドロイドでこのアラームを見て、その周辺の誰もこれが間違っていると証明しない状況を想像してみなさい」
「(略)彼は対応措置として直ちに米国の核兵器発射を命じることができ、誰も彼を止められない」

と警鐘を鳴らした。記事では、上記の3コメントのうち、最後の部分では「と声を高めた」と書かれている。

   NHKは18年1月16日夕にも、ニュースサイトで「北朝鮮ミサイル発射の模様 Jアラート 政府『建物の中や地下に避難を』」と速報で誤報を流し、その後訂正した。

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