2024年 4月 19日 (金)

「水中考古学」なぜ日本での研究が進まないのか 学者が語る「意義」と「課題」

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人材育成にも課題が残る

   海外に比べ立ち遅れがちだった日本でも、行政レベルでの体制づくりが進んでいる。2017年に文化庁が「水中遺跡保護のありかた」を取りまとめ、遺跡保護の指針を示した。文化庁は地方自治体向けに水中遺跡調査のマニュアル制作も進めていると佐々木さんは語る。国内の研究者も、個人レベルでは高い成果を挙げ、ヨーロッパやラテンアメリカで沈没船研究を行う山舩晃太郎さんのように、海外で活躍する日本人研究者もいるという。佐々木さんは2019年度で九州国立博物館での任期を終えるが、別の形で文化庁・博物館と関わっていく予定だと語る。

   J-CASTニュースは、国内外で水中戦争遺跡の研究等に携わった大阪府教育庁文化財保護課の中西裕見子さんにも話を聞いた。組織レベルの取り組みについて、中西さんは「日本は海岸線が長く北と南で気候も大きく異なるので、各地の自治体の埋蔵文化財専門の職員が研究していく体制がよいのではと思いますが、人材育成の道のりはまだ長いです」と、人的面の育成も課題だと指摘した。水中の文化財を守り、歴史学に活かす研究者の取組みは続く。

(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)

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