2020年 4月 4日 (土)

サウジ戦、「データ上は圧勝」の日本は何故敗れたか 名良橋晃氏が見る「後ろ向きのパス」の背景

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   東京五輪世代で戦うサッカー「AFC U-23選手権」のサウジアラビア戦は、1-2での敗北という結果の一方、スタッツ(成績、データ)の面では日本が「圧倒」した。AFCが公表したところでは、ボール保持率は日本65.8%、サウジ34.2%で、パス本数は日本567本、サウジ292本と2倍近い差。逆に、いかにゴールに直結しないパスを出していたかを物語るともいえそうだ。特に「バックパス」の多さはインターネット上でも指摘があがった。

   元日本代表でフランスW杯出場の名良橋晃氏は、この試合内容に「選手間のイメージがかみ合っておらず、それが後ろ向きのパスにも直結していたと思う」と見解を述べる。その背景には、試合中の対応力の不足があるという。

  • 名良橋晃氏
    名良橋晃氏

前線へ運んでも、後ろ向きのパスで最終ラインへ

   タイで開催されている同大会。日本のグループリーグ(GL)初戦となるサウジアラビア戦は2020年1月9日に行われ、1点差での黒星スタートとなった。一方、AFCの公式スタッツを見ると、主要な項目は軒並み日本が上回っていたことが分かる。冒頭のボール保持率、パス本数に加え、パス成功率は日本84.7%、サウジ71.9%。シュート数も同11本と8本だった。

   ただ、パスといっても消極的に映る後ろへのパスもある。たとえば後半14分、相手陣内の右サイドでスローインを得ると、パスを繰り返してボールはGK大迫敬介まで戻っていった。

   同17分には、前線で左のDF杉岡大暉にパスが渡ると、相手のディフェンスラインが下がった。杉岡からパスを受けたMF食野亮太郎は、ボランチのMF田中碧に預けると同時に裏のスペースへ走り込んだが、そこにパスは出なかった。日本はショートパスを繰り返し、結局自陣内までボールを戻している。同30分にも、左サイドの相手ペナルティエリア付近でパス回しをしていたと思ったら、自陣内の最終ラインにまで引き返すという同様のシーンがあった。

   そうした中で生まれたのが、1-1で迎えた同40分のPK。DF古賀太陽は杉岡からパスを受けると、さらにバックパスをしたが、出した先が大迫かDF岡崎慎か、曖昧になった。奪った相手選手がペナルティエリアに進入すると、ファウルで止めてPK献上。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)による検証で、岡崎が後ろから足を当てたとしてイエローカードを提示された。これが沈められ、決勝点となった。

   もちろん、データ上の優位がそのまま勝敗につながるわけではない。また最終ラインやGKまで戻すバックパスもプレーの選択肢の1つであり、決してそれ自体が悪手ではない。ただ、スタッツと結果との乖離や、悪目立ちした後ろ向きのパスには、ツイッターやネット掲示板でも厳しい見方をするユーザーが少なくなかった。

「パスを回すだけで勝敗決めるなら優勝できそう」
「ゴール前でボールを受けてからシュートまでが遅い。またはバックパスで戻しすぎ」
「やたらバックパスするのはその数字を稼ぐ為か 何の意味があんのかほんと謎だったわ」
「失敗してもいいから前に進むサッカーをして欲しい。前線まで行って後ろ戻してDFで回しての繰り返し多すぎ」
「【朗報】内容では圧勝」
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