2020年 2月 20日 (木)

石原さとみの「金麦シフト」と税制変更 ビール類バトルの各社戦略

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   2019年10月の消費税率引き上げほどの影響はないが、20年10月にも暮らしに関わりが大きい税金の制度変更が予定されている。ビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の税額を統一するための税額変更の第1段階が実施され、酒税を350ミリリットル缶に換算するとビールが77円から70円に引き下げられ、逆に第3のビールは28円から37.8円に引き上げられる。

   こうした動きを反映して、ビール類を製造・販売する国内大手が発表した2020年の事業計画は、ビールに注力するメーカーもある一方で第3のビールを強化するメーカーもあり、販売戦略が二分した。

  • 「とりあえずビール!」(写真はイメージ)
    「とりあえずビール!」(写真はイメージ)

税額の差が縮まる

   ビール類の販売でトップを走るアサヒビールが2020年に力を入れるのは、ビールの主力商品「スーパードライ」の復活だ。1987年に誕生して、現在でもビールの国内シェアで約5割を誇るトップブランドだが、愛飲してきた世代の年齢が高くなっており、若い世代をいかに引き込んでいくかが課題になっている。高かったブランド力も陰りを見せており、2019年の販売量は前年比で5%減少した。それでも、第3のビールに比べると利益率の高さは強みであり、減税を追い風にしながら、東京五輪・パラリンピックの公式ビールでもあるスーパードライの販売促進に資源を集中させる戦略だ。

   これに対してキリンビールが2020年に注力するのは、増税となる第3のビールだ。18年に発売した第3のビール「本麒麟」は、ビールに近い味わいが消費者に好評で、キリンがビール類の販売量でアサヒに肉薄するまで復活を果たした原動力となっている。増税になってもキリンが第3のビールを推すのは、20年10月の税額変更の後も350ミリリットル缶換算でなお30円以上もビールより税額が低く、加えて原材料や生産コストが低いため、税額が統一されても価格の優位性は続くと見込んでいるからだ。19年10月の消費税増税によって節約志向は強まっており、価格のわずかな差にも消費者は敏感に反応するとの読みがあるのだ。

   サントリーは、主力ブランドであるビールの「ザ・プレミアム・モルツ」と第3のビール「金麦」をいずれもリニューアルして、2020年の販売増を目指す。プレモルのCMキャラクターだった女優の石原さとみさんを金麦にスライドさせる異例の広告戦略を年初から始めている。

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