2020年 2月 20日 (木)

深海魚ラブカの死、朝日新聞の撮影が影響?憶測広がる 水族館は否定的「フラッシュなくても...」

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   水族館の深海魚をフラッシュ撮影した写真が大手紙ウェブ版ニュースに掲載され、悪影響が出たのではないかとの疑問や批判がネット上で相次いでいる。

   この深海魚は、撮影翌日に水槽内で死んでいた。その原因について、水族館の飼育員に話を聞いた。

  • 岩に噛み付こうとするラブカ(串本海中公園公式ツイッター投稿の動画から)
    岩に噛み付こうとするラブカ(串本海中公園公式ツイッター投稿の動画から)

元々「水槽では、数時間から1晩、長くて2、3日」

   鋭く細かい歯が並ぶ大きな口を開け、いきなり水底の岩に噛み付く。エラに傷跡のような赤い模様が6本ほど見え、目をギョロギョロさせながら泳ぐ様子は、まるで海の中の怪獣だ。

   和歌山県内の串本海中公園水族館では、2020年1月16日から、熊野灘で捕獲された深海ザメ「ラブカ」の展示を始めた。「生きた化石」と呼ばれ、生で見られるのは珍しい。

   ところが、翌17日中には死んだことが確認され、各メディアもそのことを報じた。そのうち、朝日新聞デジタルのニュースに載ったラブカの写真が、ツイッター上などで物議を醸した。

   前日に撮った写真5枚のうち、メインの写真に写ったラブカの目が光っていたり、ラブカの背後に濃い影が見えたりしている。フラッシュ撮影が行われたものとみられる。これに対し、強い光に慣れていない深海魚をフラッシュ撮影したのはおかしいと、非難のツイートなども相次いだ。ツイッター投稿やまとめサイトなどの中には、朝日新聞の名前を挙げて、フラッシュが死亡の原因になったのではといった憶測もあった。

   さらに、メインの写真はその後、別のカットに差し替えられ、このことについても、なぜ説明しないのかなどと疑問が出ていた。

   串本海中公園水族館の担当飼育員は20日、フラッシュ撮影の影響について、J-CASTニュースの取材にこう答えた。

「環境の変化から、深海から引き揚げられた時点でだいぶ弱ってしまいます。水槽では、数時間から1晩、長くて2、3日で死ぬことが多いですね。このラブカは、状態を見ましても、たとえフラッシュ撮影がなかったとしても、長く生きなかったと考えています」

「フラッシュ使用を含め、水族館の指導に従った」

   飼育員によると、ラブカの報道発表時には、朝日を含めマスコミ数社がフラッシュ撮影をしていた。水族館では、記録を残すことを優先に考えて、フラッシュ撮影を止めなかったそうだ。

   ネット上で騒ぎになったことから、朝日から水族館に「うちがご迷惑をかけたのでは?」と問い合わせがあったという。一方、飼育員は、ラブカはフラッシュ撮影ですぐに死ぬほど敏感ではないとして、その影響に否定的な見方をしている。

   ただ、一部の展示でフラッシュ撮影を禁じており、今回のラブカについても、一般公開では、「フラッシュ撮影はご遠慮下さい」との内容の掲示を出していた。このことについて、「元々フラッシュ禁止の場所ではありませんでしたが、念のために禁止にしました」と説明している。

   水族館では、ラブカについて、「残念ながら長くはもたないと思います」と公式ツイッターで明かしていたが、このことについても「何故展示した?」「深海に帰して」と批判が寄せられている。

   これに対し、飼育員は、「同じ水深に戻せれば話は別ですが、海に返しても長く生きるのは無理だと思います。研究目的があり、一般の人に見てもらうのも意義があるはずです」と説明した。ラブカの標本は、和歌山県立自然博物館に寄贈する予定だ。

   朝日新聞の広報部は1月21日、フラッシュ撮影したことについて、取材にこうコメントした。

「ラブカの取材は、水族館の館長を含む専門家の指導・指示のもと、報道各社が行いました。弊社が取材した際も、フラッシュの使用など撮影方法を含め、水族館の指導に従いました」

   写真を差し替えたことについては、ラブカが体半分しか映っていなかったことから、「順番を入れ替えて、メインの写真をラブカの体全体に写っているものに変更しました」とした。フラッシュ撮影との直接的な関係は認めず、ネット上の批判については、「コメントは差し控えさせていただきます」としている。

   ただ、「朝日新聞デジタルに掲載後、読者から問い合わせがありましたので、水族館に改めて、取材時に撮影を認めた理由や経緯などについて、電話で確認しました」と説明した。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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