2020年 6月 7日 (日)

「連ちゃんパパ」作者、ブームへの困惑と作品に託した思い 「取り扱い注意啓発本として...」

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   2020年5月上旬、ネットで突然ブームになったマンガが「連ちゃんパパ」である。

   無名のパチンコマンガだった本作は、ほのぼのとした絵柄からは正反対の「クズばかり」の登場人物や、彼らが破滅していく展開が注目されて知名度が急上昇した。作品の評判と、作者・ありま猛さんの突然のブームへの感想は......

  • ほんわかな絵柄だが、読み始めてみると…(c)ありま猛/秋水社ORIGINAL
    ほんわかな絵柄だが、読み始めてみると…(c)ありま猛/秋水社ORIGINAL
  • ほんわかな絵柄だが、読み始めてみると…(c)ありま猛/秋水社ORIGINAL

単行本化もされていなかったのに...

   パチンコ三昧かつ子持ちの男が、パチンコ依存が止まらず、周囲の人間を悲惨な目に巻き込みながら社会を転々とするというのが「連ちゃんパパ」の大まかな筋書きだ。マンガ配信サイトの「マンガ図書館Z」で全話無料配信されており、アクセスが集中して5月12日には一時マンガ図書館Zのサーバーがダウンした。折しも外出自粛要請の中、営業を続けるパチンコ店に対して行政が店名公表に踏み切るなど、パチンコが槍玉に上がっていた時期でもあった。

   絵柄とは裏腹の内容に「闇金ウシジマくんがかわいく見える」「読むストロングゼロ」「パチンコ屋に置きたい」「ダメ人間の見本市」などの感想が続出し、SNSでの流行語になった。

   ところが、「連ちゃんパパ」はこれまで単行本化もされておらず、連載されていた正確な時期すらもわかっていなかった無名のマンガだった。パチンコ雑誌の「パチプロ7」に連載されていたとのことだが、この雑誌は既に休刊。版元も統合されて別の会社になっている。ただし後に、2018年から秋水社で電子書籍で刊行、それがマンガ図書館Zでも配信されて今回のブームにつながり、さらにはありま猛さんの他の作品も注目されるようになった。

   改めて秋水社に取材を行ったところ、本作は正確な号数などはわからないものの、1994年春から97年秋頃まで連載されていたとのことだった。ありま猛さんと編集者の間で電子化の話が浮上し、デジタルコミックに向くと考えて刊行したそうだ。

「突然のネット騒動に捲き込まれて困惑してます」

   そしてありま猛さんにブームの感想を聞いたところ、「依存症」に囚われた人の行く末をこのマンガに込めており、目を向けてもらえればとのことだった。

「突然のネット騒動に捲き込まれて困惑してます、何処か他人事の様な...... でも私なんですね。私は、人間ストレス溜めない為には適度なアルコール、ギャンブル、セックスは必要だと思ってます。
『連ちやんパパ』は ギャンブル依存症として論評されていますが、この作品はたまたまパチンコをとうして表現させて頂いた訳で、他のアルコール依存症、セックス依存症、これ等にドハマリすると結果は一緒だと。人は誰しもこの3つの内の1の依存症にハマる可能性があると思ってます。
この作品は取り扱い注意啓発本として見て頂ければ幸いだと思ってます。」(原文ママ)

   作中にはパチンコで借金を重ね、借金取りに追われて破滅する人物が多く現れる。絵柄とストーリーのギャップには、知らず知らずのうちに依存していく人の心の弱さも象徴していたかもしれない。本作はマンガ図書館Zで、7月31日まで無料公開されている。

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