2020年 9月 30日 (水)

北条鉄道「増発で車両が足りない」 3セクの厳しい「車両探し」事情とは

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   兵庫県の第3セクター鉄道・北条鉄道が「車両が足りない」とメディアを通じて訴えた。増発によって運行している車両数が足りないという。取材をすると、地方の鉄道をめぐる苦しい車両事情が明らかになった。

  • 北条鉄道の列車
    北条鉄道の列車
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地元ネットTVが訴える

   北条鉄道は粟生(兵庫県小野市)~北条町(兵庫県加西市)の路線を運行する。2020年9月4日、兵庫県のインターネットテレビのテレビ猪名川のツイッターアカウントが、北条鉄道の車両が足りず譲渡できる車両を探している旨をツイートした。

   9月10日、北条鉄道にJ-CASTニュースが取材をしたところ、譲渡できる車両を探しているのは事実だった。

   現在、北条鉄道は3両の気動車を保有している。法華口駅の行き違い設備の完成に伴って20年9月1日付でダイヤ改正を行い、列車を若干増発した。3両で回していた車両運用だが、増発と多客時間帯での増結を考慮すると余裕がない。通常2両が本線で運用につき、1両を予備としているが、検査や故障時に備えてもう1両がほしいというのが実情だ。というわけで、北条鉄道の社員からテレビ猪名川に相談があり、前出のツイートに至った。

譲渡が進まない事情は?

   北条鉄道も既に国内他社の3セクに車両譲渡ができないか交渉をしていたが、多くの会社では車両に余裕がないとのこと。それでも現在、水面下で譲渡が実現しそうな協議が進んでいるとも取材に答えた。車両調達に難儀するのは、3セク各社の余裕のなさや新車製造の難しさが背景にあるという。

   まず車両の新造はメーカーへの依頼から製造まで5年程かかるという状況で、他社からメーカーへの発注も重なっており、すぐの導入は容易ではない。ならば他社から余剰車両を譲渡してもらう、となるが、3セクの非電化路線であることが邪魔をする。電車と違って気動車の中古市場は潤沢ではないからだ。

   北条鉄道は旧国鉄北条線を第3セクターに転換した鉄道で、もともと赤字で切り離された路線であり、経営事情は苦しい。車両を頻繁に地方私鉄に譲渡している大手私鉄が保有しているのは現在すべて電車で、非電化路線を走る気動車はない。となればJRもしくは気動車を保有する私鉄との間で譲渡の交渉をするしかないが、路線に合う条件・車齢が合うケースは少ないと北条鉄道の担当者は話している。

   北条鉄道の現役車両は1999~2001年に製造されているが、これより古い年代の車両の導入は現実的ではないだろう。JRから3セクへの譲渡例は車齢20年以上の老朽車両が多く、北条鉄道の車両と同世代の気動車は各社の主力となっている。3セク他社も少数の車両で運用をまかなっている事業者が大半で余裕がない。増発・増備は本来喜ばしいことではあるが、思い通りにいかない地方鉄道の事情もついて回るようだ。

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