2021年 3月 9日 (火)

私が複数社の内定受諾した理由 「何かあったら」「企業に信頼ない」...コロナ禍・リクナビ問題が背景に

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   「内定取り消しになったらどうしようと不安」「企業に対する信頼感がない」――。新型コロナウイルスの感染が広がる中での就職活動で複数社の内定を承諾した学生らが、J-CASTニュースも参加したオンラインセミナーで、そんな本音を明かした。実際、2020年4月に就職予定だった大学生ら174人が内定を取り消されている。コロナ禍での「オンライン就活」を乗り越えた学生は何を思うのか。

   オンラインセミナーは2020年9月17日、リファラル採用を活性化するサービスを運営する会社「MyRefer」(東京都中央区)が開いた。2社以上の内定を得られた「複数内定ホルダー」とも呼ばれる大学生ら4人が匿名で参加し、複数社の内定を承諾した心理や、ウェブ面接などオンライン環境で行った就活の感想を語り合った。

  • コロナ禍での内定取り消しやリクナビ問題で、就活生は慎重になっている(写真はイメージ)
    コロナ禍での内定取り消しやリクナビ問題で、就活生は慎重になっている(写真はイメージ)
  • コロナ禍での内定取り消しやリクナビ問題で、就活生は慎重になっている(写真はイメージ)

10月の内定式は「掛け持ち」参加 「情報集め切れていない...」

   外資系企業やメーカーなど10社から内定を得た私立大学生の女性は、このうち大手2社に対して承諾をしたものの、まだどちらに勤めるか決めかねている。やはり内定取り消しが不安なのだという。

「10月1日の内定式までは確実に内定したという書類がなく、(どちらかに)絞ってもし何かあったら、と不安です。1社はインターンで働いた経験がありますが、もう1社ではまだ社員の本音ベースの話などが聞けておらず、決め手に値する情報を集め切れていないこともあります」

   2社の内定式は、参加時間を選べるため、「掛け持ち」の形で両方とも参加するつもりだという。情報収集を進め、「10月末までには決めたい」と話している。

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   国立大学理系学部の男性大学生も、2社の内定を承諾していたが、9月7日からの週に1社から正式な内定を証明する書類を受け取ったことからようやく絞り込み、もう1社は辞退したばかりだという。就活生向けの情報サイト「リクナビ」で学生のネット閲覧履歴から内定辞退率を算出して外部に販売していた問題に触れ、

「私たちの世代は企業に対する信頼感がありません。いつ(内定を)打ち切られてもおかしくないという認識があります」

   と明かす。

複数内定承諾は「悪いこと。企業に迷惑かかる」の意見も

   コロナ禍で、20年は実際に内定取り消しが多く起きている。厚生労働省が全国のハローワークを通じて行った調査によると、20年4月から就職する予定だった大学生や高校生ら174人が企業から内定を取り消された。35人だった前年度の約5倍にあたる。過去10年間でみると東日本大震災の影響を受けた2011年春卒業の598人に次いで多い。

   それだけに複数社の内定を承諾せざるを得ない心理となるようだが、一方でこうした行為を後ろめたく感じている学生もいる。

   3社から内定をもらった早稲田大学の男性学生は6月上旬の段階で1社に絞った。「同じ就活生や企業に申し訳ないと思った」のが理由だという。先出の国立大学生も「僕は(複数内定承諾が)悪いことと思いながらやっています。企業の方には迷惑がかかりますから」と語った。

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   20年4~5月は緊急事態宣言によって外出自粛が要請され、「リアル」な面接ではなく、ウェブ面接などで就活が進められた。複数社から内定を得た学生は、オンラインでの人とのつながりも、志望先を絞り込むのに参考にしたと話す。

「同じ内定者とオンライン飲み会をしたのですが、それで同期の雰囲気がわかって、『この人たちと働いてみたいな』と思ったことが(就職先を決めた理由の1つに)あります」(3社からの内定を得て8月に商社に絞り込んだ男性大学生)
「オンラインの面接で、若手社員とフレンドリーに話す機会も多く、それが後押しになって絞り込むことができました」(先出の早大の男子学生)
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   逆にオフラインでの面接で、知りたい情報を聞き出せなかったという人も。

「(内定を得た)会社の女性の先輩が、自分のライフプランをどう考えているのか知りたかったです。『逆質問』の時間もありましたが、勇気がなくて聞けませんでした。私は海外駐在に強い興味を持っていますが、女性で海外駐在だとライフプランにも大きく関わってきますので...」(先出の私立大の女子学生)

複数内定承諾、後輩にも勧める?

   複数内定承諾を後輩にも勧めるか、と問われると、2人が「本人次第」と消極的だった一方、2人が「勧める」と答えた。

「(内定取り消しは)あまりに学生が被る危害が大きすぎます。人生の大事なフェーズで慎重になるのは悪くないことではないかと思います。そして内定を承諾してから、内定者の雰囲気や福利厚生、配属に関する情報などにアクセスできることもあります」(私立大の女性学生)
「新卒採用という文化が悪いと思います。アメリカだと卒業から2、3年経っても問題なく就職できますが、日本では(既卒だと)そうは行かない。圧倒的に複数承諾を勧めます」(私立大の男子学生)
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