2020年 10月 28日 (水)

見えにくい「ロービジョン」を知って... 自身の病状を「恋愛漫画」に込めた理由

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   漫画家のばにー浦沢さんは、ロービジョンを抱える女性が主人公の恋愛漫画「見えない私の恋は不自由。」を、電子書籍サイト「めちゃコミック」で連載している。

   「ロービジョン」とは、見える範囲が狭い視野障害や、見えるものが明瞭でない視覚障害といった、広義な見えにくい症状を指す。しかし一部の読者からは、このような症状は存在しないのではないかといったコメントが寄せられた。これを受けてばにーさんは、こうコメントした。

「本作の主人公の病気は現実に有りわたし自身の病状と同一のものです。わたし自身視覚障害2級のロービジョンです」

   ばにーさんは、読者からのレビューに作者が口をはさむのはよくないことだとしながらも、ロービジョン当事者として少しでも多くの人々にロービジョンを知ってほしいという思いで漫画を描いていると述べた。この一連のツイートは大きな反響を生み出し、「ロービジョン」についての注目も高まっている。

   J-CASTニュースは、ばにーさんと、担当出版社の編集部に、ロービジョンや漫画について取材を行った。

  • (C)ばにー浦沢/めちゃコミックオリジナル
    (C)ばにー浦沢/めちゃコミックオリジナル
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作者の体験をもとに描かれた「リアルなロービジョン」

   公益社団法人日本眼科医会の「ロービジョンケアサイト」によれば、「ロービジョン」とは、成長・発達あるいは日常生活・社会生活に何らかの支障をきたす視機能または視覚とされている。

   「見えない私の恋は不自由。」の主人公は、25歳を過ぎた頃から遺伝性の強度近視が原因でロービジョンとなった女性。作中では、全盲ではないが視覚障害や視野障害などの「見えにくい症状」によって、日常や仕事上で起こる苦悩が描かれている。こうしたロービジョンの描写には、読者から「見えづらい苦労がリアル」、「これがリアルなロービジョン」といった共感の声も多数寄せられている。

   このような病状は作者自身が抱えているものだった。ばにーさんの視力は、矯正視力で右が0.7前後、左が0.01。見ることが出来る範囲(視野)は狭く、左は中心部分(中心視野)が欠けているためほとんど使っていないという。

「私は社会人になるまではただの『ド近眼の健常者』でした。コンタクトでの矯正が利いていたからです(眼鏡では-20D(ディオプトリー)という度数でも0.1までしか出ませんでしたが)。ただし、普通のド近眼ではなくて遺伝性の強度近視です。
この強度近視のうち数%の人が合併症を起こすそうです。私はその数%の一人で、幾つかの合併症を発症しています。(眼底の状態が生まれつき悪く、且つ近視が強くて眼球が前後に楕円状に伸びているため網膜が薄く引き伸ばされている状態が長く続いた結果、視力の矯正が利かなくなり視野が欠けていく、簡単に言うとそういうことになります。) 強度近視の合併症は色々ありますが、私の場合は『網脈絡膜萎縮』と『視神経萎縮』です」(ばにーさん)

   現在は強度近視に根本的な治療法はないとして、合併症が起こらないように、点眼による眼圧監理と月1回の経過観察を続けている。万が一合併症が起きたら、手術で対応することになる。ばにーさんはこのような自身の体験を、作品の主人公のバックグラウンドに反映している。

「昨年、別の合併症のため硝子体手術を受けましたが、失明予防のためのものなので術後視力や視野の回復はありません。作中で主人公が言及する手術はこの硝子体手術を想定しています」(ばにーさん)
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